(巻三十八)夏バテの我が身思へば酢豚など(高澤良一)

9月12日火曜日

 

(巻三十八)夏バテの我が身思へば酢豚など(高澤良一)

 

“先日はご帰宅中のところ無理を申し上げてご来社頂き申し訳ございませんでした。

種々ご教示いただき大変助かりました。

別件に関して営業より相談を受けておりまして、

判断の拠り所などご教示いただきたいため、

まずは営業よりご説明させて頂きたいのですが、

ご来社頂くことは可能でしょうか。”

 

との御召しがあり、都心に出かけた。

往きは青砥から京成上野へ出て、上野から銀座線を使ったが9時台の銀座線は通勤ラッシュで失敗だった。通勤時間帯は青砥始発の押上線都営浅草線を利用するのが正解のようだ。

例によってSeven-Elevenでアイス珈琲を喫し時間調整。

御下問は前回の事案のやや複雑化した案件でお役所の論理を、十数年遡って、ご理解頂く立場に立ち至ったのでございます。お聞きいただいているご担当の腹立ちが伝わってきましたが、それも現役のころ味わったあの雰囲気ですね!

で、ミーティングをハネて銀座に向かった。銀座に来たのは金がグラム四千五百円のころ以来だ。お上りさんという言葉がかつてあったが、おインバウンドさんのように四丁目で時計塔を一撮し、数寄屋橋で交番を一撮し、交通会館の地下で催されているOB会の芸術作品展の前を通ってみた。気に食わぬ顔ばかりなので中には入らず。交通会館前の南町奉行所跡の石碑を一撮。

そこから、下調べしておいた昼飲みのできる店の多い電気ビルの地下に向かった。何軒か覗いてみたが、煮込みがあるという「マヅメ」に入ってみた。

煮込み目当てで入ったにも関わらず煮込みはまだ用意が出来ていないとのこと。で、シラス奴とシシャモを黒ホッピーで頂いた。シラス奴は木綿豆腐正半丁にそこそこのシラスと薬味が載っていてこれは正解。シシャモは四尾で可もなし不可もなし。ホッピーの中が寂しくホッピー一本で中は3回になる。それでもお江戸のど真ん中で小一時間飲んで2057円だから由といたそう。

電気ビルを出て晴海通を渡り、かつて日比谷映画のあった脇道に入ってみた。東宝映画の本拠らしくゴジラが吠えているのを一撮し、宝塚に並ぶ女族を蔑みながら通り抜けて日生劇場から日比谷公園に入り、噴水を一撮して千代田線日比谷駅に降りた。

日比谷から亀有まで30分。亀有ガード下のビーンズの中のポンパドールでサンドウィッチと餡ドーナッツを857円も出して購入し、バスに乗って帰宅。

一息入れて、少しボーッとしてから、簡単な纏めを2本作り会社にメール。

気分転換に猫詣でを致すが、居たのはクロちゃんだけ。そのクロちゃんは2号棟の自転車置場にいた。ついこの三月まではサンちゃんの縄張りでクロちゃんなどとても近寄れる場所ではなかったのだが、サンちゃんは亡くなり、フジちゃんは行方不明となれば、今やクロちゃんの勝手放題。彼女のテリトリーになったのか?諸行無常である。

願い事-ポックリ御陀仏。とにかく御陀仏。

長生きはしたくない。ポックリ逝きたい。

で、銀座は皆さんが書いているが、

「銀座 ー 岡本綺堂旺文社文庫 綺堂むかし語り から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32298792/

を読み返してみた。