(巻三十九)おほかたは一会の名刺鳥雲に(鷹羽狩行)

2月20日火曜日

(巻三十九)おほかたは一会の名刺鳥雲に(鷹羽狩行)

曇り。8時前に家を出て確定申告に向かう。8時半開門と聞いたのでそれに合わせて税務署に着いたが、既に100人を超える列ができていた。EーTAXとかネットで予約とかがあるようだが列には高齢者が圧倒的に多い。

8時半から始まるのは、受付予約券の配布で10分ほどでこれを入手。83番で10時15分からになった。

待ち時間が1時間半あるので青砥駅前のドトールで暇潰ししょうかと考えたが、立石駅前まで歩くのも大して変わらないので、高架化工事の進む京成線の脇を付かず離れずに歩いた。小じんまりした神社仏閣もあり、踏切があったり路地もあり、まあまあ面白い散歩になった。

再開発が進む立石駅前には珈琲店がなく、座ることもできないのかと諦めかけていたら、9時からやっている飲み屋に出くわして暖簾を潜った。

店内撮影禁止となっているので一撮できないのが残念だが“昭和”の店である。生ビールでシメサバとマグロブツを頼んだ。夫婦らしい二人でやっているらしいが、二人揃って無愛想。一見の客に愛想を振りまくことはないが、客までが無愛想、不機嫌なってしまうようなあのカミさん仏頂面は印象的だ。加えて大音量でテレビを点けている。ICレコーダーの音量を20まで上げてやっと相殺した。お代は1510円。昭和なトイレを拝借して、店構えを一撮。そこから奥戸街道を歩き奥戸橋で中川を上り、税務署に10時に戻った。

案内誘導係員に受付予約券を呈示し、待機列に加わる。

給与・年金所得の列はなかなか進まず。やっと下拵えの部屋に入り、関係書類の確認を受け、入力部屋に進む。かつては2階の大部屋をぶち抜き100台を超えるパソコンを用意して対応にあたっていたが、今やスマホによる申告を強力に推進しているようで、パソコン部屋には10数台しかパソコンは配備されておらず。入力項目は少ないが、先に進んでよいのかよくないのか分からず、補助者待ちで時間を消費。

とにかく無事に終って7000円ほどの還付になった。還付はともかく、医療費の2割負担は変わらないだろう。去年は8000円ほどの還付だったが、2割負担になって医療費の控除額が減ったので還付額も減った訳だから良しといたそう。

11時半過ぎに税務署を退去し青砥駅前へ歩き、日高屋でかた焼きそばでハイボールを啜る。

滅多にほっつき歩けないので、そんなところでもウキウキしてしまうのだ。

帰宅し、昼寝いたす。

覚めて、鶏を焼き、昨晩煮ておいた真鯛をレンチン致した。

生ビールとハイボールが効いて、いつものようにTUBEの化学の番組で勉強しようという気が起こらない。ダラダラとAVなんぞを見て過ごした。

願い事-ポックリ御陀仏。知らずに御陀仏。

《昨日はブログ「随筆筆写」に41人の方が訪れ、51のアクセスがあった。アクセスのトップ(アクセス5)は、

「東京-大阪、深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと - スズキナオ」

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32451963/

2位(アクセス3)は、

「お金がもうかる正しい原則 - やなせたかし」お金本 から

で、

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32330601/

その原則を述べている

「ケチをモットーにすべし[抜書] - 三島由紀夫」日本の名随筆別巻75紳士から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32384956/

を紐付け致した。

余録:

「「羅生門」 - 黒澤明」日本の名随筆別巻63 芸談 から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/33686541/

をコチコチ読んでいる。

《私は、簡単に説明した。

人間は、自分自身について、正直な事は云えない。虚飾なしには、自分について、話せない。この脚本は、そういう人間というもの、虚飾なしには生きていけない人間というものを描いているのだ。いや、死んでも、そういう虚飾を捨てきれない人間の罪の深さを描いているのだ。これは、人間の持って生れた罪業、人間の度し難い性質、利己心[エゴ]が繰り広げる奇怪な絵巻なのだ。諸君は、この脚本はさっぱり解らないと云うが、人間の心こそ不可解なのだ。その人間心理の不可解さというものに焦点を合せて読んでくれれば、この脚本はよく解ってもらえる筈である。

私の説明を聞いた三人の助監督のうち二人は納得して、もう一度脚本を読み返してみます、と立ち上ったが、あとの一人(チーフ助監督)の方は納得がいかぬらしく、怒ったような顔をして帰っていった。》

と記されている。

で、

「日記 - 加藤秀俊」中公文庫 暮しの思想 から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32343045/

「「日記」偏痴気の説 - 中野好夫」日本の名随筆別巻28日記 から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32365034/

を読み返し、中野氏ご意見に頷く。