(巻十一)白酒やたはむれに見る運命線(山田佳乃)

8月3日水曜日

昨晩、つまり火曜日の夜、文化放送で東尾解説のナイターを聴いたあとNHK第一放送の公開お笑い番組に移動いたしました。
福島県伊達市からの公開生放送とのことで、東北で活躍する若手漫才と、ある意味大御所としてサンドウィッチマンと言うコンビが出演していました。

耕人を笑はせているラジオかな(二階堂征治)

サンドウィッチマンと言うコンビも知りませんでしたし、いわんや若手漫才師の芸を聞いたこともありませんでした。
司会や若手がサンドウィッチマンにヨイショするのでどれ程のものかと、生意気ながら、興味を持ちました。
若手の話を二つ三つ聴いた後、大御所登場となりました。
周りがヨイショするだけあって私にも違いが分かるだけの力量に差がありました。
ネタは実に地味な題材で、サンドウィッチマンに寄せられたファンレターです。言葉のニュアンスや意図的な誤用を絡ませた喋り漫才でした。
若手との違いの一つにスピードの緩さがあります。話をゆっくりと展開しても聴き手を外さないところが芸ですね。

本流となりて急がぬ春の川(河村正浩)

また、芸が静かでした。若手がどうしても絶叫型になるのとはちがいました。

山は秋肩の力を抜くような(中島あきら)

ネットで師匠筋を調べてみましたが、“親分無しの子分なし”のようです。お見事な芸風を自ら作り上げたようで、感服いたしました。