(巻十四)不知火やコインで擦るまでの夢(谷口智行)

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4月8日土曜日

昨日、同期生のYが亡くなったとの短いメールが入った。亡くなったというよりは“亡くなっていた”と言うほうが亡くなった日からみて当を得た言い方であろう。
孤独死ではないようだが、世間から距離を置いた生活をしていたので伝わらなかったようだ。
そう言う生活を好んだ故人を晒し者にするかのごとくその死を触れ回るのは何か故人の意思に反するのではないかと思う。そう思ったので、返信などせず、故人を偲びもせず、我輩はこんな目に遭わないよう一層社会との縁切りに努めねばと思ったのである。

戒名を故人は知らず草の花(中村栄一)

細君と亀有に出かけて移住先の掃除などいたした。帰り道は亀有さくら通りを通った。小雨のなか傘一本に二人で入り雨に打たれる桜の下を歩いた。

相傘の男子濡れ行く木の芽時(竹内創造)