ご内聞に-佐倉城趾徘徊ー其の三

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外濠をわたり、だらだら坂を昇ると何の飾りもない、国立博物館らしいデザインの建物がある。おそらく、建立当初は無かったであろう「歴博」の金属の銀色の安ピカ文字が質屋の看板の如く高い位置に貼り付けられているのは、何ともいただけない。
一般展示の入場料の入場料は420円で高齢者割引はなしである。チケット発券係りのお嬢様から、「古代を展示している、第一展示場は改装中で御覧いただけませんが、よろしゅうございますか?」と念を押されて同意した。
順路に従い中世、平安時代をテーマにする第二展示場に入った。第一歩であるから、注意力も好奇心も満タンである。そこで平安京とその周囲の地理的ジオラマを拝見した。京の都の周辺の地理が感覚的が分からずに歌など書き留めていたので、ジオラマに示された、小倉山、大沢の池、広沢の池、船岡山、賀茂、紫野、白川、山科、小野、日野、と言った場所が頭に入って嬉しくなった。順路は時代につれて移るが、注意力も好奇心も時代ともに薄れていく。
そして、昭和の御代に入ると自分の歴史に入るので関心が復活した。実際に戴いた学校給食のディスプレイに“コッペパン脱脂粉乳のボール、そして鯨の竜田揚げ”を見留め、やはりあの時代を代表する学校給食メニューは鯨の竜田揚げであったのだ!と納得する。
映画のポスターもその代表作と言われるものが展示されていた。「人間の條件」のポスターにかつての名優の名を読み感慨無量。
各時代を通じて、支配する側のことと均衡を保って、支配され、犠牲にもなった民衆の側の事も展示されていた。古くは一揆、近世、近代、では水平社運動、水俣病のことなどが丁寧に扱われていた。
面白かったのは、学校給食のディスプレイに見られたように各時代の日常的な食生活が紹介されていたところである。この辺りをもっと丁寧に展示していただけたらとも思う。加えて云えば、平安貴族の寝所に“箱”も置いてあったようだか、各時代のトイレなど生活に密着した部分も展示していただけたらと思います。
一時間半で通り過ぎただけの鑑賞でしたが、源高明の書なども展示されていて、ゆっくりと回れば一日でも足りない。今度来る機会があれば一つ一つ説明文を読んでじっくりと楽しみたいとおもいます。
最後にショップに寄って土産を探し、「江戸の春画白倉敬彦講談社学術文庫)」を国立歴史民俗博物館訪問の記念の品といたした。