(巻十九)退屈を拾いあつめて落葉焚(斎藤満)

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7月4日水曜日

今日はお休みをいただいて銀座まで出掛け、お買い物をした。
10時には店を開けているだろうと10時17分に店の前に到着したが、10時半からだった。
暇潰しに少し離れたところにある警察博物館を見学した。
受付で館内の撮影可否について伺うと、5階と4階は撮影不可とのことだ。
5階までエレベーターで上がり、順次下ることにした。
5階のエレベーターを降りると先ず殉職警察官の遺影が祀られている。撮影不可も頷ける。五十名を超える遺影にお名前、階級、殉職の概要が添えられている。殉職された“あさま山荘事件”の際の突撃指揮官の方のことはすぐに思い出したが、殉職された方々の多くは三十歳前後の警部補である。殉職に伴う二階級特進で警部補だと思われますから、お亡くなりなったときは、巡査か巡査長であられたであろう。
続いて、明治維新・新政府によって創設された警視庁とその創始者川路利良大警視についての展示が随分と幅を効かせている。5階は歴史編で4階に降りると現在の警察活動についての展示となります。なぜ4階が撮影禁止なのかは判然といたしません。3階はテーマが朧ですが鑑識と窃盗防止のことについて展示されておりました。2階は意味不明でした。どうでもよい2階3階は撮影可ですが、撮るに値する展示はないように思われます。 
警察のお仕事は多岐に渡るので、説明が難しいのは解ります。しかし、組織図をやたら貼っても分かってもらえるかな?

先般、四谷三丁目にある消防博物館を見学しましたが、消防の方が見せやすいのでしょう。警博は規模も内容も消博に劣ります。もっと充実させて、小学校生徒の社会科見学で二時間程度潰せるところまで金を使い知恵を搾ってはいがでしょうか。

そうやって30分ほど警察博物館で時間調整し、お店に向かった。
買い物ことを書いても仕方ないので昼飯に進むことにいたします。

銀座四丁目より京橋駅の方が近そうなので店からその方向に歩いた。高速の下をくぐったところに“大舷”と云う寿司屋のランチ看板が立ててあった。ちらし1.5が千五十円とあるので覗いてみる気になった。看板には店を示す矢印はなかったが、高速横の路地だろうと歩いてみた。
大舷は小さな、寿司屋らしい構えの店である。11時半くらいだったが暖簾が出ているのでくぐってみた。
店内にまだ客はおらず、六十がらみの親爺がカウンタ-席で新聞を広げていた。
“いいですか?”
“いいっすよ。奥に詰めて座ってくださいよ。”
で座り、ランチちらし1.5とお酒をお願いした。
酒もちらしも美味しい。そこへ私と同年輩が入ってきてビールと握りを注文した。
この御同輩が“ムラサキが切れてるよ”(醤油差しに醤油が入っていないよ)と親爺に醤油を頼んだ。親爺は店のモンに“醤油差しにちゃんと醤油いれとけ!”と叱っていた。池波正太郎の随筆にもあったが、寿司屋でもなんでも商売の符丁を使って通人ぶるのはよくないようだ。
私は酒がスイスイと入ってしまったのでお代わりをお願いした。
“オッ、吸い込みがいいっすネ!”
“旨いものは、生きてる内に食って飲んどかなきゃ。”
“ソオッすよ。点滴で寝たきりなんてのは生きているうちにゃ入んない。食えるうち旨いもん食って飲んどかなきゃ。”
と無愛想な親爺がやたら饒舌になった。
饒舌のついでに医者と葬儀屋を毒づいたが、どう言うわけか寺には甘かった。
ちらしと酒二杯で二千二百五十円である。魚も飯もよかったし、酒もよかった。場所は花のお江戸の京橋ですから、至極妥当なお代だと思いますよ。
店を出る頃には満席になっておりました。

*野暮と叱られると美味しいものが美味しくなくなりますので、ちらしの写真はやめておきました。