(巻二十)打水や平次が謎を解く時分(小沢昭一)

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12月24日月曜日

昨日は図書館と生協に出掛けたが、歩数は二千歩にも届かなかった。今日も北風であったが足腰を鍛えるため、というか少しでも衰えを後にするために歩いた。

この少しでも後にしようがいいのか悪いのかは分からない。
貯金が減るのを幾日かでも後にしようと働き、そして節約するわけだ。

要は先が見えないからそういうことになるわけだが、人間だから仕方ないか。

強烈な北風に大して歩かず、家に逃げ帰りコチコチ読書に励んだ。

その辺を一廻りしてただ寒し(高浜虚子)

英文は

Why cryptocurrency prices are plummeting - by Nathaniel Popper NYT Nov. 23, 2018 仮想通貨暴落の理由

を読み終わり、

The consuming art of indigo - by Deborah Needleman NYT Nov. 29, 2018 藍染

に入る。
去年の今頃はビットコインの値上がりがニュースだった。

聖夜てふ罪の匂ひのする夜かな(天野きらら)

和文は、

「歩兵の思想 - 寺山修司小学館文庫 たかがカレーというなカレー から

を読んでいるが、

以下の段落の、

“ 第一、ビクビクしながら食ったってちっともうまくないですからね”

にいたく共感いたした。


「ラーメンとライスカレーのあいだの、ほんの二、三十円の値段の差が、幸福の限界線だというのは、あまりにも涙ぐましい話じゃないかね?」
ライスカレーはうまいですからね。インド人もびっくり!なんていうじゃないですか!」
「キミは?」私は訊ねた。
ヒレ肉のステーキや、北京の鴨や、燕の巣のスープを味わってみたいとは思わないかね?」
するとサラリーマン氏いわく、
「私はあんまりゲテモノ趣味はないんです」
「ゲテモノ?ゲテモノじゃない、私は高級料理の話をしているのだ」
すると彼は軽蔑的にいった。
「そんなもの食ったって何になるんです?
燕の巣なんか食ってみたって、お腹をこわさなければ幸運ですよ。
第一、ビクビクしながら食ったってちっともうまくないですからね」
「それじゃ、食生活の冒険なんて無理だね。味覚文化もちっとも発達しない」
「ああ、発達しなくたっていいんですよ。私はかあちゃんライスカレーさえあれば充分満足なんだから」


以上抜粋です。

つまりはです。私も金の心配やマナーの心配しながら旨いと言われる高価な物を食べるより、コーラクの煮込み、ときわの鰯の刺身、一力のおでん、吉楽の鍋焼き、天下一の餃子を安心していただき酒を飲む方がよほど幸せなのですよ。

これはアインシュタイ博士の

「静かで質素な生活は、絶え間ない不安とともに成功を追い求めるよりも多くの喜びをもたらす」

というお言葉に通じるものと思いながらKITKATで“あかし”を独酌いたしております。

凍つる夜の独酌にして豆腐汁(徳川夢声)