(巻二十五)気を張らぬ暮し好もし籠枕(松尾緑富)

f:id:nprtheeconomistworld:20200308083934j:plain


(巻二十五)気を張らぬ暮し好もし籠枕(松尾緑富)

三月七日土曜日

今朝、洗濯機がグズグズ言った。終わりの14分前にC2というトラブル番号をピカピカさせて停止したのである。このC2のピカピカは去年の今頃から3回目ついた。不具合はいつもC2である。そしていつもあたしが少な目の洗濯(洗剤投入量5段階の目盛2)をしたときに14分前で止まる。
C2は排水トラブルであるが、排水口付近はきれいな状態で特に詰まってはいない。洗濯機の蓋をあけて、一度覗き込んでまた蓋を閉めると、故障のピカピカは消えて排水が始まり、排水が終われば脱水にかかり、そのうちに10分前のメロディーが流れ、その10分後には何事もなかったように洗濯終了のメロディーが流れた。
細君はあたしの洗濯物が少ないのが原因だと断定した。今までの二日に一度の洗濯を三日に一度にして洗濯物を増やしてみることになった。パンツ一枚、肌着一枚、靴下一足、タオル一枚が増える。

今日の天気は重苦しい。
今日の気分は息苦しい。
逃げたいが術がない。

世中を憂しとやさし思へども
飛び立ちかねつ鳥にしあらねば(山上憶良)

これからは想定通りには行かないようだ。厭になったら諦めて終ればいいくらいの開き直りができれば良いのだが、まだまだ練れていないのだ。

煩悩や地平の月の暮れまどひ(三島ゆかり)