(巻二十六)押し分けて行かば行かるる萩の原(正岡子規)

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(巻二十六)押し分けて行かば行かるる萩の原(正岡子規)

6月27日土曜日

雑事:

ミカンの鉢をベランダから、反対側の通路の室外機置場に移した。ベランダでは直射と照り返しで土が熱くなる。

雑事:

偵察しておいた湯屋の隣の千円の床屋さんに行く。
店に入ると御同輩が刈ってもらっていた。千円であることの念押をしてから順番待ちの席に座る。
待ちの席はソファーで、低いテーブルには灰皿とライターがセットで煙草盆の上に置いてある。ちゃんとした場末の床屋さんの構えである。(写真は往時の繁盛を偲ばせる本棚の漫画本)

御同輩の調髪はほどなく終わり、消毒後に床屋さんの椅子におさまった。ずいぶん久しぶりに味わう本当の床屋さんの椅子の感触である。
理容師さんは私よりも年長のおばさんである。
バリカンを使ってよいかと訊かれ、いいですよと答えた。バリカンで刈り上げるとこれまでは他と変わらないが、一通り刈ったあとは鋏で丁寧に揃えてくれる。ここまでで10分くらいであり、千円床屋の通常のペースだった。

そこへ買い物帰りの近所のお婆さんが入ってきた。
婆さんは客のことなど眼中になく世間話を始め、理容師さんは手を休めずに応じている。
やはり話題は“カネ”のことである。婆さんが「買い物で出かけるとついおカネをつかってしまう。今日も三千円使ってしまった。」とぼやく。
理容師さんが「だから、外に出ちゃダメなのよ。家でジィーとしてなきゃ、おカネが無くなっちゃう」と応じている。
あの十万円に婆さんはもう手をつけたようだが、理容師さんはそのことについつは何も語らずであった。
他にも色々と店の名前やその評判が交わされていたが下地のない私には何の事か分からない。分かったのは“生協のジャガイモは煮崩れが早い”というコメントくらいであった。婆さんは10分ほど喋って退出。

私の調髪もこれで終了かと思ったら、「眉毛を揃えてあげましょう」、「(剃刀で)モミアゲと襟足をきれいにしましょう」、さらに「暇だからサービスするわよ」と耳の穴の毛と鼻毛まで始末し、おまけに蒸しタオルを顔と頭に被せてマッサージまでしてくれた。
所要時間45分くらいでした。
髪は短くなり、眉毛が整った。長眉毛はめでたいとはいえ、老け込んでよろしくない。揃えてもらってよかった。

誰か来るまでと思ってサービスしてくれたのだろうが、ついにだれも現れずであった。

二丁目の富士乃湯の並びの床屋さんです。暇な方にはお薦めいたします。

眉の下剃つてもらひし薄暑かな(戸恒東人)

願い事-眠るが如くで叶えてください。


本日は二千三百歩、階段三回でした。