(巻三十)鰭酒や畳の上で死ぬつもり(亀田虎童子)

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(巻三十)鰭酒や畳の上で死ぬつもり(亀田虎童子)

9月19日日曜日

野分き去り好天、布団を干す。

家事の少ない日曜の午前であった。

朝日俳壇:

秋雨や甚雨・深雨になほ霖雨[りんう](中西洋)

を書き留めた。俳句そのものはどうでもよいのだが、雨の勉強になる。甚雨[じんう]と読み、激しい雨を云うらしい。深雨は調べた範囲では[みう]と読むらしい。同じく激しい雨のことらしい。霖雨は作者のふりがな付いていた。調べたら長雨のことらしい。

帰省子にこの家のこと墓のこと(山田はづき)

人生が混沌のまま夕端居(北原喜美恵)

墓参り声なきこゑに励まさる(長谷川瞳)

断捨離や後は吾のみ秋の暮(西森正治)

などなどが入選しておりました。

夕方散歩。湯屋の煙突と豆腐屋を撮りに行った。湯屋の煙突は先日曇りの日にも撮ったが詠んだ句が「永らへし湯屋の煙突天高し」になったので合わせる写真も秋晴れでなくてはならない。途中でアイスモナカ、生協の後で餡パンと買い食いが続いた。本日は三千八百歩で階段は2回でした。

願い事-布団の上にはこだわりませんので、迅速に叶えて下さい。イヤダ、イヤダ。コワクナイ、コワクナイ。

老人性憂国症というのがあるのではないか。引退作家や退官した学者さんの雑文に時々顕れる。土屋賢二氏の2014年の雑文集『ワラをつかむ男(文春文庫)』にも、それまでは見られなかった憂国調が少なくとも二本は入ってきた。退官して神戸に転居してからの作品のようだ。俳句や雑文を読んでいると有名無名の死を想う老人、人を嫌う老人、世を厭う老人、国を憂う老人に出合う。自分もそんなどこにでもいる老人の中の一人なのだ。

問ひ出して問におぼるる晩夏かな(仲村青彦)

に気を付けよう!