(巻三十三)先達のまむし拂ひの杖を持ち(坂本明子)

(巻三十三)先達のまむし拂ひの杖を持ち(坂本明子)

4月22日金曜日

朝一の8時半ころドアのベルが鳴り郵便屋さんが配達にきた。ドアを開ける前に念のため、どこからの郵便物かを尋ねたらマリさんからだとのこと。康さん七回忌のお返しを送ってくれたのだ。

細君は美容院へ出かけていったが、誰が来てもドアを開けるなとの厳命を下して出て行った。その細君が崎陽軒で買って帰ってきたのが「初夏弁当」である。

午後は散歩に出かけたが

初夏の陽気だ。樹々の緑が鮮やかなってきた。

青葉して団地しづかに老いにけり(角田大定)

先ずURの公園にいる猫、まだ名は無い、にスナックをやる。この猫には婆さんのパトロンがついていていつも3時ころ婆さんが自転車でお食事を運んでくる。猫も時間を合わせて公園のベンチで待っている。この猫には今日で3回目のスナック贈呈だが、やっと“フーッ”と噴かなくなった。

そこから都住1へ参ると鼻黒がいたが、草を食べるの関心が向いていてスナックに興味を示さない。目脂がひどくなったようで元気もない。そこから図書館へ行き、2冊返して7冊借りた。その場で捲って、内3冊は対談本なので即返却口に入れた。手配していただいた本を読まないで返して申し訳ないが、手に取らないと分からない。図書館から二丁目の桜通りを歩く。下校の女学生の生脚自転車をイヤらしい目で追い、躓く。

仙人を落とす太もも小春風(中村湖童)

風呂屋、都住2と進み、太郎と花子にスナックを3袋振る舞う。プッシーは猫までにしておきましょうね。

https://nprtheeconomistworld.hatenablog.com/entry/2019/09/26/070720

願い事-生死直結で知らぬ間に叶えてください。コワクナイ、コワクナイ。

チェーホフの『ワーニャおじさん』の終盤に、

「ね、ワーニャおじさん、生きていきましょう。.......寿命が尽きたら、おとなしく死んで、あの世に行き、『私たちは苦しみました、泣きました。ほんとうにつろうございました』と申しあげましょう。......あたしたち、ゆっくり休みましょうね!......すぐに.....、休めるわ.....。ゆっくり、休みましょう!」

という下りがあるそうだ。辛酸を嘗めたと云う人生ではなかったが、

人生は一度でいいよ松の芯(河黄人)

ではある。“も~ういいかい?”と来れば、“も~ういいよ!”だ。