(巻九)耕せば女性(にょしょう)あらわに匂い立つ(高野ムツオ)

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11月26日木曜日

冷たい雨が降り、ついにタイツを履いてしまいました。下半身に関してはこれ以上の防寒装備がなくなりました。下半身の危機です。

本日の句:
耕せば女性(にょしょう)あらわに匂い立つ(高野ムツオ)

は、とてもインパクトの強い句でクラクラしてしまいます。
書き留めたときは、さらっと書いてしまったのですが、読み返すにつれて“にょしょう”に興奮を覚えます。
その前に“耕す”ですよ!

宗匠の方々の晩年のストレートな句に共感します。

牡蛎というなまめくものを啜りけり(上田五千石)

重ね着の中に女のはだかあり(日野草城)


体の方は、萎えていくのですが、頭の方は惚けようが惚けまいが、考え、想像し、夢想することから多分遁れられないのでしょうね。

男といふ性は峠を過ぎゆきて赤いきつねを啜りいるなり(田島邦彦)

私的“フーテン老人”としては、美しい、肩から脇腹、腰、そして尻へと続く背面の生身を拝んでみたい。

生身魂拝んでみたや菩薩の背(潤)

でも、いい歳をして火傷するといけないので我慢いたします。

酔うほどにたぎち来るもの宥めつつ僧なれば僧の影引きて行く(大下一真)