(巻十四)少年老いたり妖怪をなほ友として(坂戸淳夫)

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4月29日土曜日

考える人は考え昭和の日(谷山花猿)

市の小型家電の回収ボックスにラジオやウォークマンなどを収めた。ついでに前の組織から退職記念に贈られた電子パネルの写真たても放り込んだ。パネルの裏には退職記念と組織名を彫った金属の小板が貼り付けてあった。何とか剥がそうとしたがどうにもならず、そのまま放り込んだ。

廃品に聖書も括る冬の靄(池田康)

移住先に箪笥と下駄箱が配達された。物が置かれると部屋はどんどん狭くなってくる。最後にはやっと布団が敷ける一畳ほどが残るだけになるのだろうが、それでよいのである。

URの家賃が安いかと云えば都住とは違い家賃そのものは安くはない。駅前通りの不動産屋の広告で比較すると駅近の新しいマンションタイプの賃貸部屋に比べて割高感がある。URの何がいいかと云えば民間に比べて道や棟の間にゆとりがある。占有面積で云えば割高かもしれないが、住環境全体でみると贅沢だ。
住人の“なり”は大したことない。ジャージおばさんが多い。団地の常として高齢者が多いが子供がいないわけでもなく、小公園で自転車の練習をしている父子を何組か見た。駐車場の車にBMWなどの馬鹿車はないが、かと云って黄色ナンバーもない。

新緑やうつくしかりきひとの老(日野草城)

十余万円の家賃を払いながらも地味な生活をしているようだ。経済的に安定していないとここには住んでいられないだろう。マンションや一戸建てのローン返済月額の方が家賃より低いので出ていく住人も多いと聞く。行く度に開けるポストには中古マンションのビラが沢山押し込んである。