(巻十七)木枯の着いたところが地下酒場(東金夢明)

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12月4日月曜日

歯を2本抜くのであるから、夕飯は食べられないであろう。そうは思うが昼飯はいつものとおりお握り二つしか食べなかった。

舌先で歯に別れ告ぐ暮の冬(潤)

新橋から直通電車のグリーンに乗り柏まで行った。まだ夕方のラッシュに入っておらず座席の半分が埋っている程度であった。柏から通っていた頃は帰りのグリーンで晩酌していたが、抜歯の前に一杯とはいかない。
細君は歯のことを心配する振りはしているが、「ついでに東武ストアーで水道の浄水器を買ってきて?こっちにいいのがないから。」と買い物を指示してきた。
蛇口の牡ネジに合う浄水栓がなかなかないのである。
歯を抜いたあとでは忘れてしまいそうなので東武ストアーに入り家庭用品の棚に行った。
使用中の物と同じものが二つ残っていたので二つといただいてストアーを出た。
歯医者さんは6時の予約であったが、30分前に入り10分待って治療椅子に座った。
先生が来て麻酔を打ち、少しは時間を置くのかと思ったら、すぐに抜かれてしまった。ヨレヨレの老歯であるから何ら抵抗することなく、ポロッと“摘まれて”しまった。2本1分勝負である!
老いて枯れれば案外最後も簡単なんだろう。抵抗するから大変なんだ。

一樹のみ黄落できず苦しめり(穴井太)

なかなか美形の歯科衛生士さんから、「痺れが取れるまでは食事はしない、」などご注意を2分ほどいただき1500円お支払いして医院出たが、締めて10分かな?
抜歯から15分経って、柏で電車に乗ったころには腹が減ってきた、と同時に痛みとまでは行かないが、抜かれたあたりに違和感を覚え始めた。
途中で空腹対策に蒸しパンのようなものを二つ買い帰宅すると、細君が腰痛が出たと愚図っている!

歳晩や身に膏薬の千社札(藤田湘子)

愚図りながら朝日俳壇を持ってきた。その中から一句書き留めた。

公園の枯葉のためのベンチかな(鈴木貴念子)

元気で亭主をほったらかして遊びまわられるのも困ったことだが、ヨロヨロされるのも困る。なかなかうまくはいかない。

写真2は今朝の月