(巻十九)叱られて次の間へ出る寒さかな(各務支考)

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7月27日金曜日

そういうわけで成田空港の貨物地区のお役所に参りました。
ご挨拶が済んで、夜の業界懇親会までの一時間半をお役所の喫茶コーナーで句帳などを捲りながら過ごした。

二杯目の珈琲苦し夜の落葉(橋本栄治)

この手の業界懇親会は不得手ですが、これが最後になるでしょう。

業界代表の主催者挨拶は型通りではありましたが、そつなくまた時間も適切で“らしい”挨拶でございました。

続いて、お役人さ
まの来賓挨拶をうかがいましたが、はっきり言って“下手”でしたね。先ずは聴き手が誰かという意識がない。だから話が的外れである。次いで、挨拶なのか業務説明なのかを混同した。
この混同が迷走とダラダラとした長期化をもたらした。おまけに、その業務説明が“麻薬取締り”だとか“金塊密輸防止”だとか“テロ対策”だとかで「広報担当が中学生の見学者に説明する程度の話」であるから始末におえない。
更に事態を悪化させたのが醜態の自覚である。何とか“挽回”で的を“業界”に戻したが“今更何を!”のうんざりムードと更なるダラダラで完全にアウトであった。
頭が悪くてああいうスピーチになったのか、業界軽視で何も練らずに登壇したためなのか、“俺は頭がいいからその場で受けるスピーチができる”とタカを括っての自惚れによる醜態なのかは分からない。

しゃぼん玉はじめ遠くへ行くつもり(明隅礼子)

せめてもの救いは、多分このスピーチは誰の印象にも残らないということだ。

秋風や褒めても叱っても呉れず(安住敦)

中締め前に相棒が逃亡を提案してくれて、さっさと会場を去りました。めでたし、めでたしです。

地元に戻り、“ときわ”で一杯やって寝床につきました。
酒は独り酒にかぎります。