(巻二十一)爪寒しこれのみ懈怠なく伸ぶよ(石塚友二)

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4月5日金曜日

から落ち着いてきたので職場へ書籍を送ってくれの依頼がきた。棄てられた女は逃げられた男からの便りに悦んで部屋駆け回りである。
その煽りであたしゃ朝っぱらから生協で段ボール漁りでございました。
それでも、無事独り立ちしてくれたわけですから真に御目出度いことでございます。
一箱の重量が25キロを超えないようにとがうるさいが、25キロを超える箱なんぞあたしゃ運べないからそんな心配は無用でありますし、ただそばに立っているだけで、ああしろこうしろとうるさい!
一応6箱作って朝の一仕事を終わりました。

昼飯を差し向かいで食べて、布団を取り込んで、角川俳句を読みに図書館へ出掛けました。

書き留めた句は、

春の夜を上つてゆきぬ春の月(黛執)

*黛執氏が四月号の巻頭を飾っておりました。黛執氏の作品には比較的初期に出会い、『海見えてきし遠足の乱れかな』を巻きの一に書き留めてありますし、ほかにも好きな句がたくさんございます。

花曇り女波ばかりや湾の内(藤村たいら)

* 波の女の方は身近にいるのですが 、女波は調べて確認いたしました。新しいことばを知りました。

不言不語気の利く弟子と垣手入(波出石品女)

*気の利く、ですね。“気の利く”と云う語を含んだ句は句帳にはありませんでした。初物です。

野を焼くと漢静かに集いけり(寺井谷子)

*“漢”ですね!でもあとが“集い”ですかね?生意気を申しました。

成るようになるを諾なひあたたかし(千原叡子)

*“諾(うべ)なう”ですが『わがひとよかくの如きと諾へど未だ香のこる白秋のとき(大橋敏子)』で読み方を知りました。この齢ですから、読み方だけではなく、生き方でも“諾”を実践していかなくては。

いまさらの風鈴を吊り老夫婦(宇多喜代子)

*この句を巻四十の巻頭の句にいたしました。巻四十まではもちそうもありませんが、始めたときは巻二十までもつかどうかと思っていました。“いまさらの”がいいですね!老夫婦を詠んだ句は沢山書き留めておりますが、『くたくたとキャベツスープを煮て二人(松本弘子)』も老夫婦を心に浮かばせるいい句だと思います

誰も来ず何処にも行かずちやんちやんこ(福田啓二)

*しかし、現在はネット社会ですから繋がりは保てます。今日はマコトさんと繋がりました。『Lineにも文才の有無獺祭忌(あらいひとし)』

親として全否定され日向ぼこ(宮川礼子)

*よくある話ですから落ち込まないように。否定した“子”の方もそのことは心に残っていますから、子供なんかの代わりに猫か犬にするのでしょう。ですから、そういう心理的な面でも人口は減少していくわけですね。『やさしさが犬の姿をして見上げ(浮千草)』

ストーブの消し方しらね父と居る(泉尾武則)

*そういう息子さんもいるわけですから一概にはいえませんが。