(巻八)人肌の酒にほろほろ酔ふていてそれでいいのかそれでいいのだ(光畑勝弘)

10月23日金曜日
今朝は古新聞、古雑誌を出せる日だったので、エコノミスト誌を二束、半年分、を集積所に置いてきた。
2009年からのものが残っているが、少しずつ廃棄していこう。
隠居してから読み返してみようと思っていたが、どうも家事手伝いで自由時間は無さそうである。
いや、時間そのものがどうもなさそうである。


朝7時半前の山手線車内は新聞を畳めば読める程度の混雑である。
その車中で朝礼の準備に余念ない女性チームリーダーと思われる人がいた。
立ったまま、ノートに綺麗な字で注意事項をまとめ、更に昨日のドラフト会議のことを“つかみ”に挿入していた。
発言要旨の整理を越えて、パーフォーマンスの脚本の域に達している力作である。

たっぷりと美人ぬすみ視んサングラス(田伐平三郎)

そもそも、車内、喫茶店、その他諸々の場所で人と人との距離が短い。
顔と顔がご対面という場面が生じ、ぎこちない雰囲気になることがある。
これを防いでいるのがスマートフォーンなどの道具である。
スクリーンを睨み、イアフォーンをしていれば袖すり合う間合いでも相互不可侵の合意が成立する。

それぞれの距離を保てり浮寝鳥(田浦佳江)