(巻十一)けふのことけふに終らぬ日傘捲(上田五千石)

6月3日金曜日

帰路の車中でちびちびやりながら岩波文庫で「谷崎潤一郎随筆集」を読んでおります。教養が足りないので解らない部分の方が多いのですが、その112頁には、谷崎潤一郎永井荷風の小説「つゆのあとさき」を評論した「永井荷風氏の近業について」に対する永井荷風からの書信が載せてあります。
永井荷風の書信は段落や句読点のない候文です。立読みをされる際には捲ってみてください。

その評論のなかでは、荷風が選択した老境の孤独についての谷崎潤一郎の見方を読み返しております。

稲妻や世をすねて住む竹の奥(永井荷風)