(巻十三)坪畠の夢の不揃ひ葱坊主(湯橋喜美)

1月9日月曜日

成人の日ということで、朝のラジオでは美容室からの中継を入れていた。今年の髪型は大盛りではなくやや控え目か主流とのことだ。当地では午後二時頃まで小雨であったが、巨額を投じた方はハラハラでござったであろう。
雨を思い出の雨にした方もいよう。成人式と雨でこの歌に至る。

こんなにも優しき雨があると知る君に抱かれて雨やどりする(大黒千加)

45年以上前の成人式のことはよく覚えていないが、既に他界してしまった級友のワクが成人代表で巻物を読んでいたなあ。
なぜワクがその役を仰せつかったのかは判らないが、その土地に産まれて何人かの級友と同じようにように家業を手伝っていた。ワクの家では、長屋の土間を作業場にしてバネ製造の孫請け、ひ孫請けをオヤジさんとやっていた。その頃のその土地を代表する勤労青年として白羽の矢が当たったようだ。

見込まれて決意表明新成人(潤)

彼は、その後クラスメートと結婚し埼玉に立派な本物の工場を建て羽振りもよく、下町人間らしく面倒見の良い人物であった。

あきくさをごつたにつかね供えけり(久保田万太郎)