(巻十五)いつまでもひとつ年上紺浴衣(杉本零)

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5月24日水曜日

今日は午後半休をいただき、菖蒲を見に出掛けた。明治神宮がよく知られているが、場末派である我輩は場末中の場末“堀切菖蒲園”に足を向けた。

普段着で来し葛飾の菖蒲園(松井水仙)

山手線で日暮里駅に行き、そこで京成電鉄に乗り換えた。下車駅はまさに“堀切菖蒲園”駅であり、普通各駅停車しか止まらない駅である。
京成電鉄のJRとの乗り換えは不便である。上野駅船橋駅成田駅というJR線と競合する駅はいずれもJRの駅から五分ほど離れたところである。例外としてこの日暮里駅だけはJRと京成電鉄が連結していて乗り換えが便利なのである。

日暮里駅を発車した各駅停車の“うすい”行はやたらとクネクネ曲がりながら走り、新三河島、町屋と云う荒川区内の駅に止まり、隅田川を渡り千住大橋、関屋と云う足立区内の駅に止まり荒川放水路の鉄橋を渡って葛飾区の“堀切菖蒲園”駅に到着した。所要時間は10分ちょうどであった。

駅のホームには“かつしか菖蒲まつり”の提灯が下がっている。改札口横の付近地図にも堀切菖蒲園は示されているが、裏道裏路地のような道をこれまたクネクネと歩いて行かなければならないようだ。駅前の案内板によれば“堀切菖蒲園-Horikiri Shobuen (Iris Garden)720米”と表示されている。
クネクネと歩くのであるが、“かつしか菖蒲まつり”の提灯と旗が経路沿いに掲げてあり、また要所要所には立看板があるので迷うことはないだろう。道案内に関しては気配りがされていて親切である。
菖蒲園の位置は綾瀬川堤の下で高速中央環状線の真下の感がある。したがって静寂の中での菖蒲園の散策と云うわけにはいかない。はっきり云えば“うるさい!やかましい!”と云う聴覚環境である。
入場料は無料である。

ホームページでも案内されていたが、園内整備工事のなかでのこの季節だけの一時的な公開とのことであり、全敷地の半分ほどが公開されている。
さて菖蒲の咲き具合であるが、菖蒲田一面に咲き乱れていると云うわけではない。むしろ小さな集団がポツリポツリと云ったところで、来園者もポツリポツリである。そんなところに雨粒がポツリポツリと来た。


クネクネやポツリポツリの菖蒲かな(潤)

場末派としては残念であるが、園内休息処に貼ってある、“小石川後楽園”、“清澄庭園”の菖蒲のポスターとの勝負では負けているようだ。

勝ち負けをすぐ云ふをとこ茗荷の子(恩田侑布子)