(巻十七)春寒や別れ告げられ頬打たれ(正津勉)

イメージ 1

1月27日土曜日

今日の俳句もなかなかいい句ですよねえ。何回かグサッと刺されて息の根を止められたような“拒否”をいただいたことがありますが、こちらも何人かにはしていたかもしれません。

房総に花摘みにゆきそののちにつきとばさるるやうに別れき(大口玲子)

花吹雪あびて振り切る恋もあり(平松うさぎ)

振られて打撃を感じていたのも“女”を知るまでで、そのあとは“まあいいか、次があるさ”としたたかになり、純情さは失せたな。

をみなとはかかるものかと春の闇(日野草城)

女知り青蘆原に身を沈む(車谷長吉)

午後は亀有図書館で「角川俳句ー2月号」閲覧。

書き留めた句は:

春宵の一句すなわちひとりごと(花谷和子)

醜聞の似たり寄つたり神の留守(仁平勝)

晩秋の損得もなき立呑屋(星野高士)

捨て印のごとくに淡き昼の月(小暮駿一郎)

不器量の身とな思ひそ残り柚子(吉倉紳一)

寒いせいか、図書館は混んでいました。

図書館の知恵の静けさ冬灯(秋尾敏)

というよりは、

読書とも避暑とも図書館通ひかな(葉月)

の冬季版と云えるのかもしれない。