(巻八)黒猫のさし覗きけり青簾(泉鏡花)

早く隠居がしたいと思います。
風流に。

茶の湯とは只湯をわかし茶をたてて呑むばかりなるものと知るべし(利休)

荷風も万太郎も空穂も寂しがっていますが、独居もいいなぁと思います。

もてあます西瓜一つやひとり者(永井荷風)
煮大根煮かへす孤独地獄なれ(久保田万太郎)
ひとりあれば身の愛(かな)しかり愛(かな)しきをありがいとして我はひとりいむ(窪田空穂)


「亭主元気で留守がよい!」というコマーシャルの文句が人口にカイシャし、その社会構造の変化を端的に表現したコマーシャルのお陰もあってか、
その後、どれ程のお父さんたちが隠居もできずに路頭や図書館や(職場)に追いやられていることであろうか。
それなら、それで!出家か家出だ!

良き妻を演じて暮らす毎日に消えて無くなる本当の私(米村恵子ー朝日歌壇)

と言う方もいらっしゃるでしょう。


夫にも父にもなるんじゃなかったとうなだれている八月十五日(潤)


というのもありです。