(巻八)一身をなげだせば浮き初湯なり(今瀬剛一)

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日曜日の朝、細君との買い物散歩の途中、お屋敷坂の入り口で芒の穂を見付けた。

野分にもなべけば残る芒かな(松井ショウ巴)

さて、
TBSラジオの長寿番組、永六輔さんの土曜日ラジオ東京が幕となるようだ。

名月やマクドナルドのMの上(小沢麻結)

永さん自身がお歳を召され、常連客と付き人的なアナウンサーたちが支えて、なんとかその場にいるという状況になっていた。千秋楽としてよろしいのでしょう。

文化祭無事に終って男子から恋の相談されている秋(松田わこ)

永さんは名作詞家でもありますから、言葉のセンスは当然素晴らしく、永さんの俳句を二句書き留めている。

猫八が虫を鳴く夜の寄席を出る(永六輔)
ずっしりと水の重さの梨をむく(永六輔)


土曜日の夜は小島さんの番組を聴きますが、今晩の趣向は聴取者のなかから、四人のその道のプロに出演してもらい、仕事の厳しさ、難しさ、勘所、伝承、面白さ、充実感等々を語ってもらった。

ガテン系技術者、近郊農業経営者、株屋そして理系分析者がお話をしてくれました。

芸のことただ芸のこと寒の梅(花柳章太郎)

このタイプの素人専門家インタビュー番組では、久米宏さんの「ラジオなんですけど」が秀逸です。
久米さんは、話の引き出しかたが流石に上手いですよねぇ。

小島さん、玉さんも健闘していましたが、二時間で四本続けるというのはちょっとだれるな。

風鈴の一芸つまらなくなりぬ(中原道夫)


俳壇:
父は子に家持(やかもち)という名を付けた旅人(たびと)という名の錘(おもり)のように(星ひかり)
身の内に悪しき細胞宿す吾がそれに負けたる死者の葬儀す(岡田独甫)

岡田氏はもう一首入選:
記事で見し先進医療受けんとす転移していて無理だと言わる