(巻八)地下街は地下道になるいつしかにBGMが消えるあたりで(岡野大嗣)

何となく、無職になってからの日常を思いながら先週末は三連休を過ごした。

「ねばならぬ」が何も無い日のこの自由定年恐れた自分をわらう(小野田多満)

仮想隠居生活では、ラジオが大きな存在感を示した。
対談番組が面白い、日曜日の午後は、NHK・FMで日曜談話室を聴いた。
ホストとアシスタントが二人のゲストを招いての、二時間弱の座談会番組であるが、13日は「喫茶文化」について話に花を咲かせたに。

コーヒー店永遠に在り秋の雨(永田耕衣)

各種テーマ喫茶に加え、無言喫茶というのがあるそうだ。もともと喫茶店はお一人様が主流で、自分の空間を占有し静寂を確保したいと言う気持ちはわかる。
私自身、電気ビル裏のプロントで大声でまくし立てていた、キャリアウーマンとその上司のペアにはうんざりだった。
無言喫茶の話から高齢者には孤独力が必要となるとのご意見が出たが、呆けなければ孤独感を相当味わうことになるだろう。

咳をしても一人(尾崎放哉)

しかし、
孤独感の反対語が一体感、連帯感なら、孤独感に堪える方が辛くないようにも思える。

独り碁や笹に粉雪のつもる日に(中勘助)

孤独力を鍛えることにしょう。

ひとりあれば身の愛(かな)しかり愛(かな)しきをありがひとして我はひとりいむ(窪田空穂)