(巻十五)秋風や褒めても叱つて呉れず(安住敦)

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5月21日日曜日

ブログを打ち上げたあと、玄関先に出てみると黄色い盛りのタンポポと絮タンポポが並んでいた。絮タンポポを見ると、

此の翁、白頭真に憐むべし、これ昔、紅顔の美少年(劉希夷)

思い浮かべる。殊に黄色い盛りのタンポポの隣に白頭が並べば、我が身の時の流れを感じ落涙である。

そんな朝で一日は始まったが、引っ越し準備の雑巾がけで午前中を過ごした。箪笥を空にして雑巾がけ、押入れを空にして雑巾がけ、天袋を空にして雑巾がけをした。

有為転変母の浴衣が雑巾に(生出鬼子)

何しろ日頃の心掛けが悪いので塵が薄く積った雪の如しであった。

春愁や箪笥の上の薄埃(源通ゆきみ)

梱包の方は詰められるものは詰め終わり、後は生活にどうしても必要な物を残すところまできた。そして、必要なもののなかで米がどうしても足りなくなるという。
細君の指示は千葉の“ふさおとめ”二キロであった。スーパーで二キロを調達したが、間違えて無洗米を買ってしまった。取り換えて来いと云う。“無洗米だって同じたろう、我慢しろ!”と食い下がったが、“無洗米用のカップがない、水の量が分からない、押すボタンが違うので間違う、炊飯器を壊してしまう。”とまくし立てられて炎天下、一往復余計に歩くことになった。

言い出して後には引かず古団扇(吉井よしを)