2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
(巻三十二)失言と一ト日気づかず餅腹(中戸川朝人) 1月7日金曜日 朝の最低気温はマイナス2度とか予報されていたが、寒くてこの冬初めてエアコンを点けて着替えをした。暖かくして測ると血圧も125ー75と正常値である。 念仏は無の字ばかりや寒波くる(前田美…
「最上川 - 斎藤茂吉」最上川は私の郷里の川だから、世の人のいふ『お國自慢』の一つとして記述することが山ほどあるやうに思ふのであるが、私は少年の頃東京に来てしまつて、物おぼえのついた以後特に文筆を弄しはじめた以後の経験が誠に尠いので、その僅…
(巻三十二)東北は上下に長し寝冷腹(松本勇二) 1月6日木曜日 小寒、寒の入り、立春まで寒中か。寒い。でも東京の場末の寒さなど東北・北海道に比べたら屁みたいなものでしょう。現にストーブもエアコンも点けずに部屋でなんとか過ごしている。重ね着もまだ…
(巻三十二)船頭に浮巣も水の道標(江川虹村) 1月5日水曜日 本日も毛布干しを敢行いたす。まくれあがるほどの風ではない。11時過ぎたあたりから強風となり毛布を取り込むが、あまり温かくはなっていない。 散歩には出かけずに生協に米、みかん、ヨーグルト…
(巻三十二)歳晩の脚立に妻の指図待つ(安居正浩) 1月4日火曜日 午前は無風好天で毛布が干せたが、午後は風が強く散歩の帰り道はバスにしてしまった。 出初め式のポスターが貼られていた。 出陣のごとき身支度火の見番(西村周三) 三賀日も終ったし、モツ焼き…
(巻三十二)居酒屋に席空くを待つ西鶴忌(岸川素粒子) 1月3日月曜日 毛布を干す。好天である。細君は今日から商売の生協に出かけて、混んでいたと戻ってきた。 昼飯は磯辺巻に昨日の残りの牛肉とおせちの残りを駅伝を聞きながら頂く。トップは横浜駅前通過と…
巻三十一立読抜盗句歌集 日の丸を掲げる勇気大旦(松岡耕作) もはや子に歩を合せ得ぬ残暑かな(木村進) 洋梨の疵を向こうに向けて置く(池田澄子) 学友の頃なる夫の書を曝す(山田弘子) 熟柿皆承知年貢の納め時(高澤良一) 吊し柿こんな終りもあるかしら(恩田侑布…
(巻三十二)素袷やそのうちわかる人の味(加藤郁乎) 1月2日日曜日 健やかに安眠いたし、記憶に残るような夢は見ずに目覚めた。よかった、よかった。 初夢や金も拾わず死にもせず(漱石) よい夢も悪い夢も要らない。「何事もないのに越したことはない。」とい…
(巻三十一)下萌や警察犬は伏して待つ(岡野洞之) 1月1日土曜日 目の覚めるところで覚めてお元日(鷹羽狩行) ということで夜中に目覚めることもなく、滑り出しのよい元朝を迎えました。 いつものようにお越しにきた細君も特段グタグタ云わずに寝床に戻って行…
「動物園物語(抜書) - 丸谷才一」男もの女もの から句集を出す話は前まへからあつた。宗田安正さんは立風書房の編集者で、山口誓子系の俳人で、大岡信さんの『折々のうた』にも一度か二度、句が出てゐる。この人はわたしとはずいぶん古いつきあひで、ときど…
令和四年元旦 謹賀新年 年頭辞世 図らずも泣いて出てきた道化の世 すまぬすまぬと生きたくはなし 年頭一句 願うこと生死直結古稀の春