(巻三十四) 辞書まめに引きては忘れ秋の夜(中村雅遊)

(巻三十四) 辞書まめに引きては忘れ秋の夜(中村雅遊)

 

8月9日火曜日

朝一で細君はエアコン交換のことで設備屋さんなどに電話を掛けまくっているが、交換用のエアコンがまだ届かないとかで、話が進まないようだ。しかし、彼奴のような半ボケからの電話をあしらうご担当も大変だろう。電話での相談(苦情)サービスという贅沢なものが有料化されたり、減らされていくのは致し方あるまい。

祝儀の集金があり、郵便局まで出かけた。振替で送金せよとのことだが、窓口で「教えてください」と亀二局一の才女局員に教えを乞う。実にテキパキと教えてくれて、記入した申込書の記号番号と当方が持参した“事務局”からの案内状の記号番号の読み合わせまでしてくれた。特定郵便局、殊にこの亀二局などは半ボケの老人が客の大半だから万事遺漏なきようにと注意を払ってくれるのだろう。こちらも素直にボケ老人になってお世話いただいた方が無理して突っ張るより世の中丸く収まる。

ついでに、半ボケの話をすれば、この案内状というのが半ボケだ。祝い金を募るのに「徴収させていただき」ときた。高々10人程度から募るのに幹事弥次郎兵衛、事務局喜多八となっている。幹事と事務局って、何だ?発起人弥次郎兵衛、世話人喜多八あたりが宜しいのではあるまいか。

こんなことを言い出すことが半ボケなのだが、日記にブツブツ書いている程度なら罪はあるまい。

昼寝して汗をかき、4時過ぎから散歩。青のボールペンを探して来いとの下命があり、駅前北口のTSUTAYAまで歩く。ボールペンさえも絶滅品種になったようで油性の青ボールペンはなく、水性の物を買った。ついでに昨日下見した「第八たから丸」に行ってみたが臨時休業とのこと。仕方なく北口駅前の月の宴やワタミの看板を見てみたが、淋しい刺身の盛合せが千五百円もしていた。諦めて南口の銀座通りを歩いていたら脇道に「みっちゃん」とかいう居酒屋があり、看板に「トロいわし六百円」と貼ってあったので入ってみた。つまみはそれでよしとして、酒だがやはり日本酒にしたい。日本酒は八海山とか一応名の通った酒しかなく、一合八百五十円。お試しだからそれにしてみた。お通しが出たので嫌な店だなあと思いながら酒を啜り、上手に薄切りした鰯を食べて千六百五十円払って店を出た。高橋さんのときわ食堂では鰯の刺身ばかりいただいていたがあそこでも五百円だったから、量は比較にならないが、六百円はやむを得まい。酒は嘘をつかず旨し。軽く呑んだら腹が減り、銀座通りのはずれの蕎麦屋「寿々喜」でざると漬物でもう一杯いたした。よく来る客として覚えてくれたようだ。

帰りに都住3を通り抜けると草むらからフジちゃんに呼び止められた。臆病者だから草むらから出て来ないがスナックをくれと鳴くので少し置いてきた。

願い事-ポックリでお願いします。自分では死ねないから生きているしかない。厭だ嫌だ。RIP.

今日は送金などしたものだから、財布の紐が弛んだ。明日からはまた質素に暮らそう。

Beware of little expenses. A small leak will sink a great ship.

Benjamin Franklin

だそうだが、こちらは浮き袋だ。

人間の男に預け浮袋(高橋晶子)

という句があるが、今どきそんな向こう見ずな女子はいない。

https://nprtheeconomistworld.hatenablog.com/entry/2021/02/17/092351

https://nprtheeconomistworld.hatenablog.com/entry/2021/02/18/082915