2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「からだで味わう動物と情報を味わう人間 - 伏木享」03年版ベスト・エッセイ集 から

「からだで味わう動物と情報を味わう人間 - 伏木享」03年版ベスト・エッセイ集 から おいしさといえば、もちろん舌の感覚だが、のどごしなんて言葉もあるから咽頭あたりの感覚まで含まれる。温度も重要である。大阪名物のたこ焼きはやけどするほど熱くな…

(巻二十九)わが旅も家路をさしぬ都鳥(下村梅子)

(巻二十九)わが旅も家路をさしぬ都鳥(下村梅子) 5月7日金曜日 昼頃戻ってきた細君に拠れば連休明けのクリニックは客を追い返すほど混んでいたらしい。明日も混むらしいので明日に予定していた血圧検診は月曜日に延期しよう。 午後の散歩は駅前まで脚を延ば…

「葱肥えたり - 神吉拓郎」ちくま文庫 たべもの芳名録 から

「葱肥えたり - 神吉拓郎」ちくま文庫 たべもの芳名録 から 霜のたよりがあった。 葱が肥え、甘くなってきた。 ネギ。 一名を、ひともじ。 その、ひともじの謂[い]われについて、私は長いこと騙されていた。 騙されたというより、担[かつ]がれたといっ…

(巻二十九)黙々と襷の走者息白し(伊藤典子)

(巻二十九)黙々と襷の走者息白し(伊藤典子) 5月6日木曜日 ベランダから手を出して雨があがっているかを確めて、細君は生協に出かけて行った。 二階より手を出してみる春の雨(溝渕弘志) 午後の散歩は連光寺さまへの月詣りと致した。本日は三千百歩で階段は…

(巻二十九)爪汚す仕事を知らず菊膾(小川軽舟)

(巻二十九)爪汚す仕事を知らず菊膾(小川軽舟) 5月5日水曜日 天気の悪い日に洗濯日が巡ってくる。部屋干しにした。 雨が降りだす前にと昼食後すぐに生協まで買い物に出かけた。雨粒の落ち始めたところを逃げ帰り千四百歩でした。 昼寝時々家事で豚と玉葱の…

(巻二十九)夕立や樹下石上の小役人(小林一茶)

(巻二十九)夕立や樹下石上の小役人(小林一茶) 5月4日火曜日 家事の少ない午前中でした。細君は生協へ出かけ、菖蒲も買ってきた。 サトイモ科あやめ科菖蒲混乱す(矢島三栄代) 午後、近所の生協とドラッグストアにはニュー・ビーズ(洗濯洗剤)がないのでスギ…

(巻二十九)小当たりに恋の告白四月馬鹿(中村ふじ子)

(巻二十九)小当たりに恋の告白四月馬鹿(中村ふじ子) 5月3日月曜日 昨夜アキノさん(中央)と近況交換。 冬蜂に蜜の記憶のありやなし(谷口智行) 午前は家事多し。4部屋の拭き掃除、4部屋の窓の敷居掃除、マット干し、布団干し、毛布干し、洗濯物干し、クリ…

(巻二十九)しぐるるや近所の人ではやる店(小川軽舟)

(巻二十九)しぐるるや近所の人ではやる店(小川軽舟) 5月2日日曜日 フィリピンのアキノ元警部さんから顔友の振り込みがあった。あれから25年以上経った。 フィリピンでも色々なことを夢中でやったが、「終ってみれば」の感はある。 三匹の芋虫は元気に若…

「荷風散人を悼む - 大佛次郎」講談社文芸文庫 大佛次郎随筆集 旅の誘い から

「荷風散人を悼む - 大佛次郎」講談社文芸文庫 大佛次郎随筆集 旅の誘い から 永井荷風氏がなくなった。存生中から世間に隠れて暮らしていたが死までが人の目から隠されていた。陶工の尾形乾山が江戸で死んだ時、孤独な老人の貧しい独門だったので、しばら…

(巻二十九)何たる幸せグラタンに牡蠣八つとは(守屋明俊)

(巻二十九)何たる幸せグラタンに牡蠣八つとは(守屋明俊) 5月1日土曜日 快眠とは云えなかったが、暗闇で煩悶することはなく朝を迎えた。 4部屋の掃除機がけとシーツ2枚の洗濯をした。洗濯屋に出来上がりを受け取りに行ったが、午後に届くとのことで空振り…

「荷風追想 -正宗白鳥」講談社文芸文庫 白鳥評論 から

「荷風追想 -正宗白鳥」講談社文芸文庫 白鳥評論 から 永井荷風逝去の報に接す。晴天の霹靂の如きか。あるいは来るものがついに来たかという常套の感じか。 私は氏と年齢を同じうしていたため、氏の生活ぶりや健康状態に関心を持っていたが、親しく交ったこ…

(巻二十九)噺家の扇づかいも薄暑かな(宇野信夫)

(巻二十九)噺家の扇づかいも薄暑かな(宇野信夫) 4月30日金曜日 荷風の命日だ。 荷風の忌お一人さまとして帰心(駄楽) 昨日の昼寝がよくなかった。浅い眠りで濃い夢の疲れる一夜であった。 午前中は家事もなくダラダラと過ごす。浅い眠りもダラダラも嘆くほ…