2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻三十六)貼りかへるまでの障子を小づくろひ(下村梅子)

(巻三十六)貼りかへるまでの障子を小づくろひ(下村梅子) 2月8日水曜日 曇り。朝家事は洗濯。彼奴は元スッチーのTEL友と一時間半の長電話だ。 当方も11時前から小一時間ほど電話を致す。かけ放題の契約にしてあるが、隠遁生活で最近は電話を使ったことが…

「旅のいろいろ(抄) -  谷崎潤一郎」作家の山旅 から

「旅のいろいろ(抄) - 谷崎潤一郎」作家の山旅 からたしか独逸[ドイツ]人であったと思うが、或る旅行家の外国人の話に、日本で一番西洋かぶれのしていない地方、風俗習慣建築等に古い日本の美しいものが最も多く保存されている地方は、北陸の某々方面であ…

(巻三十六)イヤホンに音の通はぬ冬籠り(滝川直広)

(巻三十六)イヤホンに音の通はぬ冬籠り(滝川直広) 2月7日火曜日 霞雲が覆う午前中だったが毛布を干してみた。 作務・修行はほかに掃き掃除、昼食の温め。忍耐力を試されたのが旧住所からの転送を依頼する「郵便転居届」の記入だ。我が家の老師は何でも自分…

(巻三十六)明易し意外と揺るる救急車(石黒興平)

(巻三十六)明易し意外と揺るる救急車(石黒興平) 2月6日月曜日 快晴、微風。今朝の作務・修行は洗濯。 我が家の老師が買い物の間に、これが「風呂屋のペンキ画」の随筆かと思いながら『富士に就いて - 太宰治』をコチコチと読書いたす。 鶴の湯の廃業決まり…

「富士に就いて - 太宰治」作家の山旅 から

「富士に就いて - 太宰治」作家の山旅 から甲州の御坂峠の頂上に、天下茶屋という、ささやかな茶店がある。私は、九月の十三日から、この茶店の二階を借りて少しずつ、まずしい仕事をすすめている。この茶店の人たちは、親切である。私は、当分、ここにいて…

(巻三十六)年寄りを嫌ふ年寄り敬老日(河内きよし)

(巻三十六)年寄りを嫌ふ年寄り敬老日(河内きよし) 2月5日日曜日 穏やかに晴れて、風もなし。洋服ダンスの物を出して風を通す。この時期は湿気が少ないから黴はないだろうが、点検した。毛布も干せた。これが今朝わが家の老師から仰せつかった作務だ修行だ…

「白湯の力 - 東海林さだお」人間は哀れである から

「白湯の力 - 東海林さだお」人間は哀れである からおなかをこわして久しぶりに白湯[さゆ]を飲んだ。そうしたら、これがなんともしみじみと心にしみたんですね。なんの味もしないただのお湯。熱くもない、冷たくもないただのぬるいお湯。おなかをこわした…

(巻三十六)決めかねてまたひと回りだるま市(青木まさを)

(巻三十六)決めかねてまたひと回りだるま市(青木まさを) 2月4日土曜日 朝家事は洗濯。買い物を仰せつかり行ってきたが入浴用石鹸の大小を誤ったとのことでグチグチ言われた。 LinkedInの方にも駄文を載せているが、朝起きてアクセスが増えていると海外読者…

「僕は経験を信じる - 高津臣吾」二軍監督の仕事 から

「僕は経験を信じる - 高津臣吾」二軍監督の仕事 から僕は経験を信じるいま、指導者は様々な課題に直面している。その解決のための様々な情報もあふれている。野球でも様々な理論を使って選手たちを指導することができるようになった。アメリカ仕込みのデー…

(巻三十六)杞憂あり明けて朝来て毛布干す(鈴木明)

(巻三十六)杞憂あり明けて朝来て毛布干す(鈴木明) 2月3日金曜日 曇天。朝家事はなし。転居以来7年経つが旧住所からの郵便物の転送願いをまだ出している。さすがにめったに旧住所への郵便物はないが、昨年末には高校時代の級友から年賀欠礼の葉書がそちら…

「坐禅の心は安楽死 - 横尾忠則」坐禅の心は安楽死 から

「坐禅の心は安楽死 - 横尾忠則」坐禅の心は安楽死 から『我が坐禅修行記』が最初の単行本の表題だったが、文庫本にする時に書名を『わが坐禅修行記』と変えることで、少し柔らかくしたつもりだった。今回、平凡社ライブラリーに加えられることになった時、…

(巻三十六)ものの影秋の長さを地に置ける(大瀬益太郎)

(巻三十六)ものの影秋の長さを地に置ける(大瀬益太郎) 2月2日木曜日 “突然ブログが見られなくなりました。検索しても見つからなくて、探すいい方法ありますか?”とマリさんから深夜にメッセージを頂きました。 確かに25日からアクセスがまったくなく、つ…

(巻三十六)充分に娑婆見し蛇の穴に入る(羽鳥つねを)

(巻三十六)充分に娑婆見し蛇の穴に入る(羽鳥つねを) 2月1日水曜日 曇天。朝家事。老人世帯の失火原因の一つがコンセントにたまった塵だと聞きかじった彼奴が家具の後ろに隠れているテレビのコンセントの塵払いをしろとうるさい。言い出したら引っ込めない…

「明るい自殺 - 東海林さだお」人間は哀れである から

「明るい自殺 - 東海林さだお」人間は哀れである からつい先日、近所のスーパーマーケットでこういう老人を見た。その老人は、かなりくたびれてはいるがかつては上等だったであろう上下そろいのスーツを着ていた。その下は小ざっぱりした白いワイシャツでネ…

(巻三十六)熱燗や酒が貴君を駄目にする(藤嶋務)

(巻三十六)熱燗や酒が貴君を駄目にする(藤嶋務) 1月31日火曜日 パーカーを着てフードで被えば凌げる朝だ。 朝家事はなし。 昼飯喰って、一息入れて、あとは実に優柔不断な午後であった。先ず、散歩に行こうか行くまいかと優柔不断し、少しだけ歩くことに…