2025-01-01から1年間の記事一覧

「自死と潔さ ー きたやまおさむ」講談社現代新書 良[い]い加減に生きる から

「自死と潔さ ー きたやまおさむ」講談社現代新書 良[い]い加減に生きる から 「早く逝こうとする君」は福岡のミュージシャン、行徳伸彦が作曲したものです。フォークルのファンだった彼とは、ときどきパーティーなどで会っていたのですが、加藤和彦が突然に…

(巻四十四) 蒟蒻のさしみもすこし梅の花(芭蕉)

6月30日月曜日晴れ。朝家事は掃除機がけ。建物の前の草むらを別の建物の大規模修繕の資材置場や現場事務所と作業員詰所を建てるために整地した。それはいいのだが、そのために紅白の梅の木とほか1本が切り倒されてしまった。来年はもうベランダから梅を愛で…

「夜の車 ー 永井荷風」中公文庫 文豪と酒 から

「夜の車 ー 永井荷風」中公文庫 文豪と酒 から 夜ふけの町を徘徊する自動車の、酔客をいざない載せて、不当の賃銭をむさぼり取るを世の人呼びて、朦朧自動車となすは、嘗て吉原帰りの客を待つ人力車夫の、心からぬものに名づけたる名なりしを、そのまま移し…

(巻四十四) 入院のひとり旅めく秋の朝(佐々木慈子)

6月29日日曜日晴れ。朝家事は洗濯。靴下などを吊るす角ハンガーのピンチ(洗濯バサミ)が脆くも割れた。プラスチックが劣化したのだが、普通に摘まんだだけなのにポキッと割れてしまった。実に脆くなる。洗濯物干し、布団干しなどで出足が遅れて日の高く上った…

(巻四十四) あの人の最後のわたし冬支度(杉田久子)

6月28日土曜日晴れ。毎朝血圧と尿酸値のクスリを飲んでいるが、この5ヶ月は飲み忘れなしで終われそうである。長生きをしたいわけではないが、患いながら生かされているのは嫌だ。朝家事は特になし。10時過ぎから散歩に出かけた。図書館から「法学教室6月号」…

「居酒屋の聖人 ー 坂口安吾」中公文庫 文豪と酒 から

「居酒屋の聖人 ー 坂口安吾」中公文庫 文豪と酒 から 我孫子から利根川をひとつ越すと、ここはもう茨城県で、上野から五十六分しかかからぬのだが、取手という町がある。昔は利根川の渡しがあって、水戸様の御本陣など残っている宿場町だが、今は御大師の参…

(巻四十四) 野良猫を好な名で呼ぶ十三夜(矢野はるみ)

6月27日金曜日晴れ。気温は30度を超えた。朝家事は洗濯、拭き掃除。10時過ぎから散歩。図書館で8冊借りて3冊は即返却し5冊持ち帰る。図書館から都住へ歩き、日蔭になっている水場に腰を下ろすとシンちゃんがやって来て膝に上がったが、後から来たバーちゃん…

(巻四十四) 鼻の差の外れ馬券や秋の風(地原義雄)

6月26日木曜日晴れ。朝家事は特になし。細君が 生協から戻るのと入れ替わりに散歩と買い物に出かけた。先ず図書館に寄り2冊返却し、そこからお稲荷さんに行く。コンちゃんが出てきてくれて足にすり寄り、スナックを2袋食べて、あとはさっさと日蔭に引っ込ん…

「猫大好き ー 東海林さだお」文春文庫 猫大好き から

「猫大好き ー 東海林さだお」文春文庫 猫大好き から こんな生き方、許してニャン 隣人にこういう人がいたとする。わがままである。気まぐれである。自分勝手である。人の気持ちを斟酌しない。たとえば職場の隣の席の人がこういう人だったらどう思うか。イ…

(巻四十四) 身に入むや身をはなれゆく身のこなし(廣中ひろと)

6月25日水曜日台風崩れの熱帯低気圧が来て断続的に激しい雨が降る。朝家事は洗濯に拭き掃除とゴキブリ駆除トラップの取り換えを致し、風呂の湯温を1度下げた。ゴキブリ駆除トラップはあの非人道的な粘着性のじわりじわりと殺すやつだ。私がゴキブリなら是非…

(巻四十四) そのうちに捨つる木の実を拾ひけり(中島正則)

6月24日火曜日曇り。湿度高く不快。細君のバス券申請に必要な所得証明書類をコピーしに生協へ行く。コピー機では爺さんが同じ書類をコピーしていた。60年くらいに前に美濃部都知事が創設した無料バス券制度だが、都知事と云えば美濃部知事を思い出すくらいこ…

「まぼろしの町 石岡 ー 小指」偶偶[たまたま]放浪記 から

「まぼろしの町 石岡 ー 小指」偶偶[たまたま]放浪記 から 一時期、ツポールスが茨城県の田舎で一人きり、 仕事もなければ電気も繋げずに吉幾三のような暮らしをしていた頃があった。「このまま死ぬ気なんじゃないか」と心配した私は、ある日連れ戻そうと茨…

(巻四十四) 花開くよきことのみを日日の糧(加藤耕子)

6月23日月曜日晴れ。蒸し暑し。朝家事は洗濯。いつもは昼飯の後、昼寝の前に一息入れていたが、昨日はあまりにも眠く一息入れずに昼寝をしてしまい、そのまま今朝になってしまった。お腹が張ってトイレに入ったが任務完了まで10分もかかる悪戦苦闘であった。…

(巻四十四)水温むわが町知らぬことばかり(大元祐子)

6月22日日曜日晴れ。暑し。朝家事は特になし。細君が生協から戻ったのと入れ替わりに散歩に出かけた。先ず亀中に設置されている投票所へ行き都議選の投票を致した。本当は「猫」と投票用紙に書きたいところだが、猫派の候補の名前を書いておいた。で、久しぶ…

(巻四十四) 行つたかも知れぬバス待つ春夕べ(茶谷静子)

6月21日土曜日晴れ。朝家事多々。先ず洗濯。掃除機がけ。マット干しと布団干し。で、10時から散歩に出かけた。図書館に寄り3冊返して3冊借りた。二丁目の裏通りを歩いて都住着。自転車置場に居たシンちゃんが駆け寄り膝に乗る。バーちゃんはシェルターからノ…

「かたちのレビュー(3篇抜書) ー 鷲田清一」生きながらえる術[すべ] から

「かたちのレビュー(3篇抜書) ー 鷲田清一」生きながらえる術[すべ] から 万年筆 万年筆は中途半端なところがみそである。久しく万年筆を使っていない。若いころ、あれほど憧れたのに、いまはボールペンとサインペンばかり。しっかり書かねばならないとき、…

あたりまへのものの旨さよ周平忌(萩原行博)

6月20日金曜日 曇り。昨日よりは気温下がる。そんな中を細君は都議選の投票に駅前まで出かけて行った。猫派への投票をお願いしたが、意に介されず。で、午前中を独り有りがたく読書、英聴、AV鑑賞で過ごす。読書は、「かたちのレビュー(3篇抜書) ー 鷲田清一…

(巻四十四) 探梅を終へて一句もなかりけり(岸下庄二)

6月19日木曜日晴れ。朝から酷暑。そんな中を3ヶ月に1度の泌尿器科検診にペンギン・クリニックへ参る。バスに乗り、区役所で降りて、区役所を一撮し、5分ほど歩いてクリニックに到着。受付後、4階の検査階に上り採尿・採血。採血はどちらかと云えばお上手でし…

(巻四十四) 手鏡にわが死顔の夜寒かな(宮本正章)

6月18日水曜日晴れ。朝家事は特になし。細君と入れ替わりに生協へお米ほかを買いに行く。途中、都住へ直行し猫さんたちのご機嫌を伺った。シンちゃん、バーちゃんともにシェルターから水場の日蔭に出てきてくれた。バーちゃんを抱き上げて頬ずりして下ろす。…

「小猫 ー 瀧井孝作」中公文庫 猫 から

「小猫 ー 瀧井孝作」中公文庫 猫 から ひるすぎ、私は一人雑誌を読んでゐたら、台所口で、いつもの猫の声がした。又来たナ、 と思ったが知らん顔して、戸を明けてやらずにおいた。と、裏の縁側の方が明いてるて、 そこから猫は入ってきた。私の坐した傍周り…

「面白いぞ、業界新聞 ・食品業界は色とりどり ー 東海林さだお」ざんねんな食べ物事典 から

「面白いぞ、業界新聞 ・食品業界は色とりどり ー 東海林さだお」ざんねんな食べ物事典 から ある日の郵便受けに「木材新聞」というのが入っていた。何かの間違い、誰かの手違いによるものに違いないのだが、それにしても木材。藪から棒に木材。日ごろのぼく…

(巻四十四) 自づから閉ざす心に日脚伸ぶ(森島雪)

6月17日火曜日晴れ。朝家事は洗濯、掃き掃除、綿毛布の洗濯補助。朝家事のあと10時過ぎから散歩。すでに暑し。図書館で5冊借りて2冊は即返却。図書館に避暑老人多し。その風体は余に同じ。つまり短パンにTシャツ、各種帽子に肩掛けバッグ。図書館から亀中裏…

(巻四十四) 海に降る雪見るときの一人かな(久野茂樹)

6月16日月曜日朝家事は特になし。10時過ぎに亀二郵便局に区民税の納付に参る。で、二丁目の裏通りを少し歩き都住に至り、石段に腰を下ろす。バーちゃん、シンちゃんがシェルターから出てきて甘えてくれる。シンちゃんの耳の裏は蚊にやられて痛々しい。白鳥の…

随筆筆写作品インデックス

随筆筆写作品インデックス ア: 「ああ、小岩駅(抜書) - 吉野孝治」ああ、鈍行鉄道人生 から https://zuihitsuhissha.exblog.jp/33320139/ 「青色申告承認取消処分と憲法31条の法意 - 京都大学教授 原田大樹」法学教室2024年9月号 https://zuihitsuhiss…

(巻四十四) 爪切れば死後に飛ぶなり寒燈(高野ムツオ)

6月15日日曜日雨のち曇りのち晴れ。朝家事は特になし。洗濯を致し、部屋干しし、扇風機をかけて乾かす。午前中は“ああせい、こうせい”とウルサイことを云われず自室で静に時々居眠りなど漕ぎながら過ごした。で、昼飯は納豆ご飯に味付け海苔と昨晩の残り物の…

「(3節抜書) ー 三島由紀夫」中公文庫 吉行淳之介選 文章読本 から

「(3節抜書) ー 三島由紀夫」中公文庫 吉行淳之介選 文章読本 から 質疑応答 二、エロティシズムの描写はどこまで許されるか 『チャタレイ夫人』のリアリズム描写がたいへんな評判になり、ついには訴訟に発展し、 発禁になりました。ローレンスは性行為を描…

(巻四十四) 死に方を思ふ齢やちちろ鳴く(景山薫)

6月14日土曜日曇り。朝家事は拭き掃除。郵便受けには住民税の通知と都議会選挙の投票手続書類が届いていた。区民税については図書館の利用とゴミの回収と云うサービスを受けているとの認識はあるので文句は付けずに納めに行くとするが、選挙については行く気…

「俳諧談(三節抜書) ー 高浜虚子」角川ソフィア文庫 俳句の作りよう から

「俳諧談(三節抜書)ー 高浜虚子」角川ソフィア文庫 俳句の作りよう から 一 俳句というものはほかの文学といかなる点で異なっているかということになると、 種々の点があるが、その一番根本でまた主なものは字数が十七字であるということが一番大きな特色…

(巻四十四) 風鈴の舌をなくして秋に入る(山本春海)

6月13日金曜日曇り。細君はヘソクリを隠しに出掛けた。「貴方の年金は家計の年金で私の年金は私の年金」と云うスタンスを崩さない。で、ありがたく独り午前を過ごして昼飯とした。先に丼にレトルト・カレーを入れてレンチンし、後からレンチンしたパックご飯…

(巻四十四) 晩節の無為こそ佳けれ栗御飯(秋山具輝)

6月12日木曜日曇り。朝家事は特になし。細君が買い物から戻ったのと入れ替わりに散歩と買い物に出かけ、図書館で2冊返却後、都住に向かう。バーちゃんがシェルターから出てきて、石段で3日ぶりの抱擁と接吻を交わした。喉を鳴らす音がハッキリと伝ってきた。…