2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「丘のうえの家から ー 赤坂憲雄」岩波新書 武蔵野を読む から

「丘のうえの家から(抜書) ー 赤坂憲雄」岩波新書 武蔵野を読む から 独歩は明治二十九一八九六)年の九月から翌年の四月にかけて、豊多摩郡渋谷村上渋谷一五四番地にあった丘のうえの一軒家に暮らした。いまから百二十年あまり前のことだ。「欺かざるの記」…

( 巻四十三) 秋風や鮎焼く塩のこげ加減(永井荷風)

2月27日木曜日 晴れ。朝家事は洗濯。細君は生協へ出かけ、ついでにチューリップとスイートピーを買って10時ころ帰宅。私は『フランス物語』を筆写して午前を過ごした。で、昼飯時に花を見てみると暖房など入れていないがチューリップがかなり開いてしまって…

「船と車(抜書) ー 永井荷風」ふらんす物語 新潮文庫 から

「船と車(抜書) ー 永井荷風」ふらんす物語 新潮文庫 から 紐育を出帆して丁度一週間目、夜の十時半に初めて仏蘭西のル・アーヴル港に着した。自分は顧客一同と共に、戦後は八時半頃から甲板に出て、次第に暮れかける水平線の彼方はるかに星かと見ゆる燈火を…

(巻四十三) 何事も無言の内はしずかなり(向井去来)

2月26日水曜日 晴れ。少し緩んだかなと云う程度で暖かくはない。朝家事は特になし。お米ほかを買いに生協へ行く。途中図書館に寄り5冊返却。生協でレシートを無くし、柳田おばさん、堀部おばさんの手を煩わせた。 荷風の『フランス物語』を読み始めたが旧か…

(巻四十三) 人の世に後るるもよし日向ぼこ(三宅久美子)

2月25日火曜日 晴れ。朝家事は洗濯。細君は記帳に出かけた。“健さん”の回顧随筆『「高倉健 最期の手記 ー 高倉健」文藝春秋 あの記事あのエッセイ 昭和・平成・令和傑作選 から』を筆写して独り午前を過ごす。お人柄だろうが“戴いた”という言い方がよく出て…

「高倉健 最期の手記 ー 高倉健」文藝春秋 あの記事あのエッセイ 昭和・平成・令和傑作選 から

「高倉健 最期の手記 ー 高倉健」文藝春秋 あの記事あのエッセイ 昭和・平成・令和傑作選 から ❲小誌は戦後七十年企画として、高倉健さんにご自身の戦後と映画人生を振り返っていただく原稿をお願いした。 高倉さんはこの依頼を快諾してくださった。さっそく…

「天下茶屋散歩日記 ー 小指」偶偶[たまたま]放浪記 から

「天下茶屋散歩日記 ー 小指」偶偶[たまたま]放浪記 から 天下茶屋なんて名前だろう。西成区にある町の一つであるが、私は「天下茶屋」という地名を耳にするたび、頭の中でドラゴンボールの天下一武闘会を浮かべて「きっとあのような猛者たちが集まり戦い合…

(巻四十三) 米櫃へさらりと流す今年米(奥山功)

2月24日月曜日 パソコンのプログラム更新の指示がきたのでさっさとやってしまおうと始めたらチンタラで朝の予定がメチャクチャになってしまった。時間かかり過ぎ。 朝家事は掃き掃除だけ。借りてきた本など捲りながらダラダラと過ごし、昼飯となり、納豆ご飯…

「俳句入門・目刺し篇 ー 東海林さだお」オッパイ入門 から

「俳句入門・目刺し篇 ー 東海林さだお」オッパイ入門 から 余は如何にして目刺しに目覚めたか いま、自分の中で目刺しがブームである。目刺しに目覚めたのだ。人は年齢によっていろんなものに目覚める。思春期には異性に目覚める。老年期には目刺しに目覚め…

(巻四十三)引き算の引かれる辛さ秋時雨(角田裕司)

2月23日日曜日 晴れ、風やや強し。朝家事は洗濯。細君と入れ替わりに生協へお米ほかを買いに行く。途中、図書館に寄り1冊返却。98円の餡パンを噛りながら帰宅。昨日の78円の餡・マーガリンコッペパンより美味し。 俳壇が届き、 辞世の句あちらこちらに旧[ふ…

(巻四十三)打水の最後はなんとなく捨てて(益岡グミ)

2月22日土曜日 穏やかに晴れ。朝家事は掃除機がけ、その後ウエルシアへトレペーとタンス用の吸湿剤を買いに行く。少し回り道をして開き始めた紅梅を一撮し、途中で図書館に寄り5冊返却。安売り78円の餡マーガリンコッペパンを噛りながら帰宅。 昼飯は納豆ご…

「猫の近道を訪ねて〈吾輩は猫である〉ほか ー 阿刀田高」漱石を知っていますか から

「猫の近道を訪ねて〈吾輩は猫である〉ほか ー 阿刀田高」漱石を知っていますか から 「ニャーオン」ある日、ある時、猫の鳴く声を聞いて夏目漱石は心を和[なご]ませただろうか、それとも苛立たせただろうか。これがむつかしい。 明治三十八年(一九〇五)ごろ…

(巻四十三)聞とめてよりの水音敗荷[やぶれはす](村上鞆彦)

2月21日金曜日 晴れ。昨日より寒くない。朝家事は洗濯。細君は生協へ。 『猫の近道を訪ねて〈吾輩は猫である〉ほか ー 阿刀田高」漱石を知っていますか』 という解説文を読んで過ごしているが、この単行本1800円2017年12月20日発行には全く手垢がついておら…

(巻四十三) 綿虫の一匹付いて来る散歩(上甲澄子)

2月20日木曜日 晴れ。冷え込む。駅猫ミニサムがいる那珂湊駅は今朝氷点下8度だったそうだ。ほぼ毎日観ているが最低気温ではなかろうか? 朝家事は掃き掃除とシーツ、座布団カバーなどの洗濯補助。干しながら見下ろすと紅梅の蕾が膨らんで色をづいていた。 筆…

(巻四十三) 躊躇[ためら]ひて点る街灯暮早し(田中)

2月19日水曜日 晴れ風やや強し。朝家事は洗濯。その後、お米などを買いに生協へ。途中で図書館に寄り6冊返却いたした。綿雲が低く、面白い。安売りの餡パンを噛りながら帰宅。 昼飯は納豆ご飯に味付け海苔と昨日の残り物。美味し。 一息入れてから散歩に出か…

「 樹木希林120の遺言 (5篇抜書)ー 樹木希林」

「樹木希林120の遺言 (5篇抜書)ー 樹木希林」 028病気のおかげで、いろいろな気づきもありましたね。だって、気づきをしないと、もったいないじゃない? せっかく大変な思いをするのに、それを「こんなふうになってしまって」と愚痴にしていたら、自分にとっ…

「心を支えるシェイクスピアの言葉(5篇抜書) ー 河合祥一郎」

る 「心を支えるシェイクスピアの言葉(5篇抜書) ー 河合祥一郎」 1ー2、 しかたがないことは、気にしないこと。やってしまったことは、済んだことです。 『マクベス』第三幕第二場 Things without all remedyShould be without regard. What’s done is done…

(巻四十三) 数へ日や数へてをるは金ばかり(日原正彦)

2月18日 火曜日 晴れ、風強く寒し。朝家事は特にないが、こまごまとした用事、例えば雑巾の洗濯、ゴミ捨て、掲示板の確認、炊飯器の場所変え、などを云いつかる。それはいいのだが、言い付けの都度、何かしらの時事ネタで話を挟むのが気に喰わない。まっ、メ…

「追悼 江藤淳:作者自身によるピリオド ー 青山光二」追悼文選 週刊読書人編 から

「追悼 江藤淳:作者自身によるピリオド ー 青山光二」追悼文選 週刊読書人編 から だいぶ前、私が文芸家協会の理事になってから、理事長はつぎつぎと交代したが、江藤さんのように行動的で決断の早い人は他に一人もいなかった。評議員だった頃に接した理事…

(巻四十三) 幾万が身を占ふや冬の星(朝広三猫子)

2月17日月曜日 晴れ。取り分けておいた菜の花に言葉をかけてきたら開いた。 朝家事はなし。細君は記帳にお出掛けになった。独り無為に過ごす。 例によって、パック赤飯とミニ・カップヌードルで早昼と致した。美味い不味いを云うべからず。細君、焼売を買っ…

「万事休す ー 田上太秀」禅語散策 講談社学術文庫

「万事休す ー 田上太秀」禅語散策 講談社学術文庫 万事休す[ばんじきゆうす] 万事休すといえば、一般には「もう施すすべがなく、すべてが終わりである」という意味で用いられている。何をしてももう見込みがないというときにも使う。このことばは「ああ、お…

(巻四十三)ゆく年を封じ込めたる餃子食ふ(楠田英明)

2月16日日曜日 朝まで雨が残った。雨は上がり穏やかで温かい。朝家事は特になし。細君と入れ替わりに生協へ朝食用品などを買いに行く。途中、図書館で何冊か返却。 俳壇が届く。 心などこのまま凍れ今すぐに(馬目空) という句が載っていた。共感いたすが…

(巻四十三)金魚売りさほど売る気もないらしく(市堀玉宗)

2月15日土曜日 晴れ。6時ころ寝言で「くそジジイ」とのたまったそうだ。ケンカをした夢は覚えていない。「くそババア」と言わないでよかった。夢で残ったのは誰かから余命10日と言われた夢だ。前後は覚えていない。特に医者から宣告されたという記憶もな…

「自分の棋風(他3篇抜書) ー 羽生善治」先を読む頭脳 新潮文庫

「自分の棋風(他3篇抜書) ー 羽生善治」先を読む頭脳 新潮文庫 自分の棋風 これまでにも「棋風」という言葉を使ってきましたが、それぞれの棋士には気質や好み、考え方による個性があり、それをわれわれは棋風と呼んでいます。ある場面で指された一手に、そ…

(巻四十三)今生の桜と見しが又会えり(綾野南志)

2月14日金曜日 晴れ。風はないが空気の冷たい朝である。朝家事は特になし。細君は白鳥生協へ出かけた。白鳥生協までの道を忘れないようにとの復習と、何かいい魚はないかと、で出かて行って無事帰宅。おとなしく座ってボケッとしていればよいのに私を巻き…

(巻四十三)その辺がすぐにはうまくはゆかぬ春(西やすのり)

2月13日木曜日 晴れ、強風。朝家事はこんな風の強い日に衣類の風通しとなった。その後洗濯を致すが、部屋干し。風の音も凄い。 昼飯は納豆ご飯に味付け海苔と残り物。旨し。一息入れてから散歩。風が厳しいが、猫さんたちに会いたい。白鳥で猫さんたちは…

(巻四十三)とある日の遠いところの水温む(角川春樹)

2月12日水曜日 まあ、晴れかな、いや曇りだな。朝家事は拭き掃除。箪笥の上も拭く。 朝家事のあと、3ヶ月ぶりに富士の湯の隣の床屋に行く。刈り上げられて涼しを超えて寒し。テレビがうるさかったがメディアへの露出に耐える訓練だと我慢した。で、寒さと…

「持ち時間と思考(他3篇抜書)ー 羽生善治」先を読む頭脳 新潮文庫

「持ち時間と思考(他3篇抜書)ー 羽生善治」先を読む頭脳 新潮文庫 持ち時間と思考 われわれプロの対局では各自の持ち時間が決まっています。一日で決着をつける場合には三~五時間、二日制の場合は八~九時間が通常の持ち時間です。私は持ち時間は長いほう…

(巻四十三)警官の隠しどころの青芒(千葉皓史)

2月11日火曜日 晴れ。強風。朝家事は洗濯。その後生協へ。途中で図書館に寄り3冊返却。納豆、牛乳、ヨーグルトほかを買い帰宅。 昼飯は海苔をタップリ巻いた磯辺焼きに昨晩の残り物。モチ旨し。 一息入れて、強風渦巻く中を散歩に出かけた。白鳥に着くと…

(巻四十三)恥部陰部さらして病めり冬が来る(たむらちせい)

2月10日月曜日 晴れ。朝家事はなし。細君は衣類を買いにアリオへ出かけて、午前中は独り過ごす。 パック赤飯とミニ・カップヌードルの昼食を終えたところに餡パンを土産に細君が帰宅。その細君の帰宅を待っていたかのように義妹から電話が入り、息子(甥)のお…