2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「鮨 (冒頭抜書)ー 岡本かの子」集英社文庫 短編アンソロジー   味覚の冒険 から

「鮨 ー 岡本かの子」集英社文庫 短編アンソロジー 味覚の冒険 から 東京の下町と山の手の境い目といったような、ひどく坂や崖の多い街がある。表通りの繁華から折れ曲って来たものには、別天地の感じを与える。つまり表通りや新道路の繁華な刺戟に疲れた人…

(巻四十五) 乏しきは分け合ふらしく寒雀(森可穂)

7月30日水曜日晴れ。酷暑。台風だの津波だのと騒がしい今日の午前である。念のため、普段はケチって切っているSIMを開けて区からの通報などは受け取れるようにしておいた。朝家事は特になし。細君のシルバーパス(都内在住の70歳以上の低所得者に交付される無…

「年を取ってからの「待ち」 ー 黒井千次」中公新書 老いのゆくえ から

「年を取ってからの「待ち」 ー 黒井千次」中公新書 老いのゆくえ から どこへも出かけないような日は、ふと気づくと玄関から一歩も外へ出ぬまま一日が終ってしまうことが間々ある。少くとも散歩くらいの運動は毎日したほうがいい、との医師の忠告に従って、…

(巻四十五) 書き出しはいつも遺書めく初日記(黒澤正行)

7月29日火曜日晴れ。酷暑。朝家事は洗濯。細君が生協から戻るのと入れ替わりに散歩に出かけた。北からの風があり昨日よりは楽。図書館で3冊返却して、最短コースで都住へ向かう。シェルターに猫さんたちがいないので、今日は会えないのかと思ったらシンちゃ…

「回転寿司屋にて ー 穂村弘」おいしい文藝 はればれ、お寿司 から

「回転寿司屋にて ー 穂村弘」おいしい文藝 はればれ、お寿司 から 回転寿司屋によく入る。たぶん、平均して週に二回くらい。そうすると年に百回以上は行っていることになる。食事のたびに、何をどれくらい食べたいか、考えるのが面倒なので、吸い込まれるよ…

(巻四十五) ゆく年を乗せて急がぬ路線バス(岩岡中正)

7月28日月曜日晴れ。酷暑。朝家事は拭き掃除とタオルケット洗濯補助。10時から散歩に出かけた。月曜日で図書館が休みなので、白鳥4丁目、青戸8丁目方面を歩いたが、まさに散歩には危険な暑さであり、終盤にリハビリ病院に逃げ込んで180円もする高いアイス・…

「ごちそう革命 ー 角田光代」おいしい文藝 はればれ、お寿司 から

「ごちそう革命 ー 角田光代」おいしい文藝 はればれ、お寿司 から 幼いころからついこのあいだまで、ごちそう、という言葉で私が連想するのは豪華な食事であった。その豪華さは、つねに油(脂)とセットになっている。イメージでいえば、フランス料理や中華料…

(巻四十五) 晩年をめぐる七曜花は葉に(阿知場裕子)

7月27日日曜日晴れ。酷暑。朝家事は洗濯。細君が生協から戻るのと入れ替わりに散歩に出かけた。図書館で2冊返却し1冊借りて、そこから大盛況の曳舟川親水公園を覗く。お稲荷さんに回るとコンちゃんが車の下から出てきて祠に座ったのでスナック2袋を献納。お…

「まぜずし ー 幸田文」おいしい文藝 はればれ、お寿司 から

「まぜずし ー 幸田文」おいしい文藝 はればれ、お寿司 から 寒いうちは脂肪の濃いものや甘みの強いものがおいしいが、こう暖かくなってくると眼に爽やかなものや、酸っぱいものがほしくなる。家庭でつくるちらしずしなどは、 子供っぽい、女っぽいたべもの…

(巻四十五) 豚カツに搾る檸檬や夏に入る(宗本智之)

7月26日土曜日晴れ。酷暑。朝家事は掃除機がけとシーツの洗濯の補助。10時過ぎから散歩に出た。図書館で『角川俳句7月号』を借り、都住を通り抜けたが、猫さん不在。あまりの暑さに何処かに避難したのか?生協でアイス・コーヒーと餡パンを買い、ベンチでお…

(巻四十五) 存外に晩節難し初しぐれ(谷村鯛夢)

7月25日金曜日晴れ、昨日に続き酷暑。朝家事は洗濯。10時過ぎから散歩に出かけた。先ず図書館に寄り予約本5冊を借りて、閲覧室で捲り、3冊を持ち帰ることにした。図書館は盛況で8割の入り。で、図書館から最短コースで都住へ向かう。バーちゃんのシェルター…

「三馬の「浮世風呂」 ー 幸田露伴」講談社文芸文庫 雲の影 貧乏の説 から

「三馬の「浮世風呂」 ー 幸田露伴」講談社文芸文庫 雲の影 貧乏の説 から 三馬の作中で最もよく其特色を発揮して居りますのは、「浮世風呂」と其後の作「浮世床」でありまして、この二つは所謂三馬式の書き方で、他の同時代の作者とは全く異って居ります。…

(巻四十五) 捨てられぬ英和辞典や漱石忌(小倉幹弘)

7月24日木曜日晴れ。意外にも5時まで快眠。朝家事は布団カバー洗濯補助。見下ろすと大規模修繕工事の事務所から工事関係者と交通誘導員の“木下さん”たちが現場に向かって歩いていく。午後、健診なので昼飯は抜き。で、3時前にクリニック到着。最近胸が萎んで…

「言語躰の文章と「浮雲」 ー 幸田露伴」講談社文芸文庫 雲の影 貧乏の説 から

「言語躰の文章と「浮雲」 ー 幸田露伴」講談社文芸文庫 雲の影 貧乏の説 から 二葉亭主人の逝去は、文壇に取っての恨事で、如何にも残念に存じます。私は長谷川君とは対面するような何等の機会をも有さなかったので、親しく語を交えた事はありませんが、同…

(巻四十五) 結論を迫られてゐる懐手(上藤修)

7月23日水曜日暇潰しにBBCの番組の書き取りをしているが、結構集中力がいるので午後以降はなかなかはかどらない。それなら早寝して明け方にやろうと昨晩は9時半に寝て、今朝の4時から1時間ほど取り組んだ。朝の方が進む。で、今朝はDid cooking make us huma…

「落語の四季 ー 入船亭扇橋」日本の名随筆別巻29 落語 から

「落語の四季 ー 入船亭扇橋」日本の名随筆別巻29 落語 から 落語の作者というものはほとんど分からない。いつか誰かの手によって創られたのには違いないのだが、江戸の頃から四百年、いま演じられている数多くの噺は、ひとつの噺が何十年、いや何百年かか…

(巻四十五) 長き夜を昨夜[きぞ]の続きに使ひをり(竹村哲男)

7月22日火曜日晴れ。細君は眼科にお出かけし、朝家事はなし。午前中を独り過ごす。レトルト・カレーの昼飯をいただいているところに細君が帰宅した。新しいクスリが増えたとかで落ち込んでいたが、同病の友だちに電話してよくあることよ、との励ましをいただ…

山笑ふ頃なる空のうすにごり(奥名春江)

7月21日月曜日昨晩は眠くて眠くて9時半に就寝。途中一度目が覚めたが、5時まで寝た。その5時の時点ですでに酷暑の気配がした。で、朝となる。朝家事は洗濯。10時から散歩に出かけた。すでに気温は上がっていたが盆踊りの後片付けが粛々と行われていた。で、…

「あっぱれな親不孝「山崎屋」 ー  山田洋次」日本の名随筆別巻29 落語 から

「あっぱれな親不孝「山崎屋」 ー 山田洋次」日本の名随筆別巻29 落語 から 親爺の店から持ち出した二百両の大金を吉原ですっかり使いはたし、ケロリとした顔で帰ってきた若旦那、「旦那様がたいそうな御立腹で」と慌てる忠義な番頭に、「別に借金をして使…

(巻四十五) 寄居虫[やどかり]や東京といふ潮だまり(山崎嵩世)

7月20日日曜日昨晩は10時に横になり、Dogshttps://www.bbc.co.uk/programmes/m002fvkvにトラックマークを付けながら聴いて寝たが、4分18秒がマークの最後だったから、横になって5分もしないうちに眠りに落ちたのだろう。目覚めは4時過ぎ。夢で大内さんと歓談…

「大伴旅人 ー 栗下直也」左右社刊 人生で大切なことは泥酔に学んだ から

「大伴旅人 ー 栗下直也」左右社刊 人生で大切なことは泥酔に学んだ から 大伴旅人 同僚が酒を呑まない奴は猿だといい出したら 歴史上の偉人と呑むとしたら誰と呑みたいか。そんなことを昨晩、呑みながら考えた。 正直、酒を呑めるのならば誰とでも呑むので…

(巻四十五) 逝くときの言葉を探る春の夢(小出功)

7月19日土曜日昨晩はどうにも眠くて9時半に寝てしまった。で、3時半に目覚めてしまい、馬鹿なことを考え始める前に起きてしまい、blogと顔本への投稿を済ませた。『濹東綺譚』を筆写したのは20161214辺りのようだ。で、朝となる。晴れ。朝家事は洗濯と拭き掃…

(巻四十五) 人嫌い桜も嫌い十五歳(與語幸之助)

7月18日金曜日 晴れ。朝の英聴書き取りをしたが、消しゴムが古くなって劣化したのかキレイに消せない。買い置きの新しいのを下ろした。通知文書などの裁断に使っているハサミも切れ味が悪くなったので、ほかの古ハサミに替えた。朝家事は特になし。細君が生…

「林家正蔵 ー 今岡謙太郎」淡交社刊 昭和の落語名人列伝 から

「林家正蔵 ー 今岡謙太郎」淡交社刊 昭和の落語名人列伝 から 八代目林家正蔵 【はやしや・しょうぞう】 明治28年(1895)5月16日・生 昭和57年(1982)1月29日・歿 今日、三遊亭圓朝の名は歴史上あるいは伝説の人物との印象を持たれがちであろうが、 彼の残し…

(巻四十五) どの駒で遠駆けをせん花の雲(丸谷才一)

7月17日木曜日 晴れ。朝家事は洗濯と拭き掃除。台風の残り風か、風が強く洗濯物は部屋干しにした。10時過ぎから散歩に出かけた。図書館に寄り2冊返却、2冊貸出。隣の都住の公園には盆踊りの櫓が立った。久し振りにお稲荷さんにお詣りし、28円献納してポック…

(巻四十五) 海を見て独りでゐたき卒業日(高野茂)

7月16日水曜日晴れ間を縫って細君は買い物へ。細君が戻って私が散歩に出かけた。都住に猫さんたちを訪ねたが2匹とも居らず。シェルターはそのままなので追い払われたのではなさそうだが、2匹揃って不在と云うことはなかったので心配である。ウエルシアで防臭…

「『江戸の百女事典(新潮選書) ー 橋本勝三郎』から三篇抜書」

「『江戸の百女事典(新潮選書) ー 橋本勝三郎』から三篇抜書」 高尾(三代)(仙台高尾) ~万治二年(一六五九)十二月? ―――「わちきも育ち、意地と張りが命でありんす」仙台侯の意に従わず、満田川で吊るし斬りにされた太夫。 高尾は代々、江戸吉原京町一丁目の妓…

(巻四十五) 囀りの森に濁世を遠くして(森木史子)

7月15日火曜日曇り。朝家事は洗濯。細君は腹の具合が悪いとグズル。雨が降っているわけではないが無理に猫さんに会いに行くのは止めにした。というのも、「散歩が好きなのだと思ってたけど、ほかに何かあるの?」と本妻が疑い始めたのである。午後になり、一…

(巻四十五) 春愁やあれやこれやの切れつぱし(上野景子)

7月14日月曜日今日から新しい血圧記録手帳になった。119ー77也雨。台風が沿岸を通過。朝家事は掃除機がけ。9時15分の時点では雨が降っていなかったので、猫さんたちに会いに行く。シンちゃんとバーちゃんがすぐに来てくれて石段で交遊いたす。10分も遊んだこ…

(巻四十五) 葉桜や蕎麦屋でたのむ玉子焼(鈴木真砂女)

7月13日日曜日晴れ。細君が生協から戻るのと入れ替わりに散歩に出かけた。暑し。図書館で2冊返して1冊借りた。で、最短コースで都住に行く。シンちゃんは不在で、バーちゃんが来てくれた。膝に乗り甘え、ブラッシングに喉を鳴らし、手のひらからスナックを食…