2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「永井荷風 墨東綺譚」 61頁 *“ぼく”という変換字なしのため便宜“墨”

わたくしの忍んで通ふ溝際(どぶぎは)の家が寺島町七丁目6六十何番地に在ることは既に識(しる)した。この番地のあたりはこの盛場では西北の隅に寄つたところで、目貫(めぬき)の場所ではない。仮に之を北里(ほくり)に譬へてみたら、京町一丁目も西河岸に近いは…

(巻十三)年金の引き算ぐらしさんま焼く(吉田安子)

12月12日月曜日 昨晩、日曜日のNHK文化講演会は小豆島八十八箇所遍路についての坊さんのお話であった。 巡礼といえば今日では観光をイメージするが、ある時代には流浪であり、行き倒れも多々あったとのお話であった。 咳をしても一人(尾崎放哉) そし…

「飲むか・飲まれるか 里見とん」 (中公文庫「私の酒」から抜粋)

酒は飲むべし、飲まれるべからず、という俗悪極まる言葉があるが、けだし真理には違いあるまい。真理であるなしに拘らず、言うは靖国、行うは難しで、なかなかそうキチリシャンといくものではなく、私も今もって時おり酒に飲まれて了う。天地開闢以来、人智…

(巻十三)二度三度とまり試して蜻蛉かな(小泉豊流)

12月11日日曜日 昨日、土曜日、の東アの船管理部の忘年会は下船後33年続いている。今年も金沢からおいでになった局長さんをはじめ16人中10人が出席した。 歳晩の用なき老のクラス会(藤田考成) 思い出話には出尽くした感があり、話題は現状と将来の…

(巻十三)死ぬために生きてるような老親のために生きてる私つて何(村上明美)

12月10日土曜日 12月の第二土曜日は恒例の東ア青年船管理部の忘年会である。日本での拠点となった代々木オリンピック記念青少年センター近くの参宮橋商店街の中華料理屋で夕方から行われた。 このくれも又くり返し同じ事(杉山杉風) 細君に午後から暇を…

(巻十三)いかにしてここに入りしかラムネ玉(森川清志)

12月9日金曜日 関ジャニの村上信五さんとはどのような方かとネットを見た。なかなかの男前であり、ラジオでの話ぶりとちょっと一致しない。 平日の夜は就寝がいつも9時半くらいである。寝床でのラジオが楽しみの一つであるが、暗い話や政治経済社会のラ…

Vanishing workers, July 23rd 2016 P54 (労働人口の減少)

Can the debt-fuelled model of growth cope with ageing populations? The world is about to experience something not seen since the Black Death in the 14th century - lots of countries with shrinking populations. Already, there are around 25 c…

(巻十三)春の雪ひとごとならず消えてゆく(久米正雄)

12月8日木曜日 インプラントの最終調整が昨晩終り、これでしっかりと噛めるようになった。そこで昼食は久し振りにカツカレーにしてみた。薄いが歯応えのある肉を恐る恐る噛み締めてみたが大丈夫である。 凩や愛の終わりのカツカレー(長谷川裕) インプラン…

(巻十三)吊革に手首まで入れ秋暑し(神蔵器)

12月7日水曜日 銀杏落ち葉が降っている。 木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ(加藤しゅうとん) 落葉の絨毯もよろしいがやはり舗道に散った葉の片付けは大変のようだ。中にはビルの通路に吹き込まれる葉もあれば、有楽町駅構内のトイレに迷い込む葉もある…

(巻十三)役終えたままのアンテナ夏の雲(千波)

12月6日火曜日 昨日月曜日は“のりおさんのお店”を訪問した。お店(写真)は蛎殻町の日本橋公会堂の裏手にあり、洒落た舶来雑貨を商っている小店である。 湯婆などむかしむかしを売る小店(杏田郎平) テレビの散歩番組でも紹介されたそうであるが、どうも売り…

(巻十三)見られいて種出しにくき西瓜かな(稲畑ていこ)

12月5日月曜日 年の瀬ということで、カレンダーを携えて蛎殻町の“のりおさん”のお店にうかがった。 折角人形町駅に降りたので谷崎潤一郎の生家を通ってからのりおさんのお店に行くことにした。 我輩は都営浅草線の人形町駅で下車したので人形町交差点から…

(巻十三)鷹鳩と化し犬大欠伸する日曜日(二木蓮)

12月4日日曜日 友人の結婚披露宴は天王洲アイルのホテルの最上階で行われた。ここからの東京港の眺めは素晴らしく掲載した写真は近景から品川埠頭の倉庫、東京港水路、お台場海浜公園、である。 品川のビルの向かうの夏の潮(戸松九里) 夜となり朝となり、…

(巻十三)万有引力とはひき合う孤独の力である(谷川俊太郎)

12月3日土曜日 本日の句は明日の順番なのだが、今日の佳き日に一日繰り上げて載せた。まさに良いお日柄のである。 招待状をよく読むと披露宴だけではなく、式にもとカードが入っていた。 2時からキリスト教での式が執り行われた。新婦が敬虔なクリスチャ…

The Olympic games, July 30th 2016 P64 (オリンピックー書評)

In 1892, Baron de Coubertin, a French educator and historian, called for the restoration of the Olympic games, hoping that they would promote peace and also help achieve his decidedly conservative political aims. De Coubertin considered th…

(巻十三)舵取るはどの神ならむ宝船(入谷一舟)

12月2日金曜日 明日は披露宴であるが、新郎からアトラクションでインタビューが入るので宜候とのお話をいただいた。 宜候(ようそろ)とボート進めん遅桜(斎藤幽谷) 一番手とのことなので宴を崩してはよろしくないと回答服案を新郎に出して了解をいただいた…

(巻十三)絶対の安堵に死とふ涼しけれ(密門令子)

12月1日木曜日 朝プロントに寄るとレジのカシワちゃんが右手に包帯をして不自由そうにしている。もんじゃを焼いていて火傷をしたとのことだが、我輩の乏しい想像力ではその情景が浮かばない! 学成らずもんじゃ焼いてる梅雨の路地(小沢信男) インプラント…

(巻十三)さり気なく聞いて身にしむ話しかな(富安風生)

11月30日水曜日 資料収集との理由を付けて街に出た。 世事はみな人にまかせて花と鳥(井上井月) 先ず駅ナカの用品店で礼装祝儀のネクタイの値段(\980)を確認しておいた。変え上着程度で出席したいのであるが、歳であるから憐れを誘ってもいけない。 此の…