2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻十四)ぶらんこに背広の人や漕ぎはじむ(林雅樹)

3月9日木曜日 http://www.meti.go.jp/press/2016/03/20170308001/20170308001-1.pdf どうでもよいことですが、経産省がクールジャパンのコンセプトブックレットを発表した。 どうでもよいことですが、文学者のロバート・キャンベル氏だったと思いますが、“…

(巻十四)立読みのつづきは明日夏の月

3月8日水曜日 風邪か飲み疲れか、もしかしたら花粉症で洟と目がウルウルである。この歳まで花粉症は発症していないが、いつ出るかは歳に関係ないという。そんな美しい病には縁がないものと思っているが、暫くは自己観察だ。 美しき名を病みて花粉症(井上禄…

「一人で飲む酒ー草間時彦」中公文庫“私の酒”から

このごろは見掛けることが少なくなったが、昭和三十年代には、屋台の食べもの屋が方々にあった。夜鳴き蕎麦とか、夜鷹蕎麦と呼ぶ蕎麦屋が多かったが、おでん屋も少なくなかった。銀座から有楽町のあたりにも、幾つも店を出していた。まだ、私が若いサラリー…

(巻十四)逃げ道の手筈ととのひ鬼やらひ(今西ひろえ)

3月7日火曜日 天気予報はときにはずれるが、今日は寒から温に外れてくれたようでありがたい。 春めいて野菜売り場にふえてゆくつぼみのものとつぼみもつもの(阿部芳夫) ちょっと陽気が良くなるともう春が来たと早合点し花見のスポットなど探してみた。 htt…

(巻十四)死ぬのはいや蟻がむらがる蝶を見て(死刑囚某)

3月6日月曜日 電気ビル裏のプロントが改装開店した。予想されたことではあるが禁煙になり、店の奥に小さなSmoking Boothが設けられた。ご常連の愛煙家がブースに入って一服しては席に戻っていく。喫茶店も居酒屋もラーメン屋も規制と罰金の対象になるとい…

(巻十四)激情や栞の如き夜這星(又吉直樹)

3月5日日曜日 昨日の日記を誤って消去してしまい、慌てて復旧中でござる。 昨日は細君と義母の見舞いに伺った。お元気と言うわけではないが、御変わりなくと言ったところであった。 見舞いのあと、駅前のデパートの中の珈琲店でサンドイッチで昼食を頂き、…

(巻十四)追伸に大事を告ぐる寒見舞(洞庭かつら)

3月4日土曜日 町内会の花見の会申込みが回覧されてきたが、そんな季節になったのか。桜は1ヶ月先だが、喰わずに咲かせた菜の花はご覧の通りである。 菜の花を挿すか茹でるか見捨てるか(櫂未知子) 角川俳句3月号から次の句を書き留めた。 春の夢みている…

2/2 Clove trees the color of ash by Amitav Ghosh (スパイスアイランズ)

This connection may be forgotten in New York, but it is remembered by many in Run, which is today a sleepy, sunbaked island with a population of a few hundred. “Donald Trump made his money in Manhattan, didn't he?” an Indonesian friend jok…

(巻十四)師の芋に服さぬ弟子の南瓜かな(平川へき)

3月3日金曜日 ネットを見ていたら、港湾労組から使用者へのスト通告の話が出ていた。スペインの港湾労組もストをやるようであるし、米国東海岸の港湾労組も鼻息が荒いようである。 宅配業界の労組も労働過重について抗議しているようで“肉体派”労組はお元…

1/2 Clove trees the color of ash by Amitav Ghosh (スパイスアイランズ)

For many years the word “globalization” was used as shorthand for a promised utopia of free trade powered by the world's great centers of technological and financial innovation. But the celebratory note has worn thin. The word is now incre…

(巻十四)灯を消せば涼しき星や窓に入る(夏目漱石)

3月2日木曜日 一昨晩の酒宴の影響で昨日の昼食は軽く済ませようと考えた。そこでスパゲッティ・ミートソースにしてみたのだが、これがひどい代物で不味いだけでなく、腹具合までおかしくなった。本当は焼きうどんが食べたかったのであるが、7ー11は最近…

(巻十四)嘘つくとおしやべりになる冬の星(遠藤きよみ)

3月1日水曜日 今日から3月だ! 三月の甘納豆のうふふふふ(坪内稔典) この句の我輩の勝手な解釈は去年の10月24日に写真付きで掲載した。 駅前の本屋さんに立ち寄ると角川俳句がまだ六冊ほど残っていた。何冊仕入れたのか知らないが、NHK俳句の売れ…

「批評と悪口についてー三島由紀夫」角川文庫“不道徳教育講座”から

今日は一寸目先を変えて、文学論みたいなことをやるとしましょう。尤もいずれ不道徳には関係のあることです。中村光夫氏が「悪口」という面白い随想を書いています。「ひとの悪口を云ふとき、大がいの者はその対象にたいして悪意をもつています。しかし批評…

(巻十四)人間は管より成れる日短(川崎展宏)

2月28日火曜日 二月が終わります。 小遣を少し残して二月果つ(吉倉紳一) で少し残るかと思っていたが、今夜飲み会が入り丁度トントンで二月を締めることとなった。世間並みのお小遣いを頂いているが、どういう訳か懐がいつも寂しいのである。 足るを知る…