(巻十三)葛の花踏みしだかれて色あたらし。この山道を行きしひとあり(釈超空)

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12月14日水曜日

師走半ばの十四日でござる。最近耳にした言葉にAKR四十七というのがあったが、うまいことをおっしゃる。
忠臣蔵を取り込んだ俳句を数句書き留めているが、

熱燗や討入り下りた者同士(川崎展宏)

は好きな句でごさる。


オフィスの入っているビルでは昼休みに一階のロビーでクリスマスコンサートが開かれて、声量豊かなオペラ歌手がガラスを震わせていた。

指揮棒の上がりて咳の止みにけり(佐藤高安)

余計なお世話であるが、彼らは食べていけているのだろうか?ビルのエントランスホールでの公演なんて、つまりは“どさ回り”以下の路上演技に近いですよねえ?高尚な芸術とはいえ、売れないお笑い芸人と同じか。

世渡りが下手とのうわさきりぎりす(山本直一)

オペラなど洋楽が、王公貴族をパトロンにして興隆したのに対して、歌舞伎は偉い!弾圧こそ受けたが庇護は受けず、芸と伝統を守り商業的に成功しているのだから大したものである。

討入りを果して残る紙の雪(坂東三津五郎)