2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻三十一)鰯雲昼のままなる月夜かな(鈴木花簑)

(巻三十一)鰯雲昼のままなる月夜かな(鈴木花簑) 10月9日土曜日 お越しにきたので体調を訊くと熱があると云う。38度近くあったので解熱剤を飲んだそうだ。 その後体温は37度まで下がったらしいが、体温計を3本使った測るものだからバラツキが出て勝手…

「LSDの世界 - 馬場あき子」日本名随筆別巻78毒薬から

「LSDの世界 - 馬場あき子」日本名随筆別巻78毒薬からきくところによると、キリンという動物はたいへん女性的な性格で、好奇心がつよく、その上、きれいなものの魅力にひかれやすいのだという。しかしキリンの好むきれいさとはいったいどんなものなのだろ…

(巻三十一)吊し柿こんな終りもあるかしら(恩田侑布子)

(巻三十一)吊し柿こんな終りもあるかしら(恩田侑布子) 10月8日金曜日 細君のコロナワクチンの2回目接種に同行した。 待合室には老女がいっぱいで昨晩の地震などが話題になっている。目の前の三婆の話には飽きない。話題に社会性があり、意識が的確である…

「私が〈がん〉に罹ったら - 近藤誠」

「私が〈がん〉に罹ったら - 近藤誠」*がんで死ぬのもそう悪くないがんは国民死亡原因の第一位を占め、三人に一人ががんで亡くなっています。治る場合もあるのですから、がんにかかる人はもっと多く、国民の二人に一人程度が、人生いずれかの時点でがんと…

(巻三十一)熟柿皆承知年貢の納め時(高澤良一)

(巻三十一)熟柿皆承知年貢の納め時(高澤良一) 10月7日木曜日 年金関係の通知のミスがあったらしく、ニュースで報道されたらしい。そのことが今朝の細君の話題であった。続いて“いわい・ゆうき”と云う漫才師のエッセイ集がラジオ番組の中で紹介されたらし…

(巻三十一)学友の頃なる夫の書を曝す(山田弘子)

(巻三十一)学友の頃なる夫の書を曝す(山田弘子) 10月6日水曜日 昨晩はFM葛飾の鉄ちゃん番組「きしゃぽっぽ」を 聴きながら就寝。テーマは京阪のダイヤ変更とのこと。関西の鉄道、殊に私鉄については全く土地勘がなく寝屋川だとか枚方だとか言われてもピン…

(巻三十一)洋梨の疵を向こうに向けて置く(池田澄子)

(巻三十一)洋梨の疵を向こうに向けて置く(池田澄子) 10月5日火曜日 昨日の投稿で連続投稿1800日だそうだ。5年弱だな。 区の方から頂いたインフルエンザ予防接種の割引券を持ってリハビリ病院へ行った。午後の3時過ぎだし空いているだろうと楽観的に…

巻三十立読抜盗句歌集

巻三十立読抜盗句歌集 今はよにもとの心の友もなし老いて古枝の秋萩の花 桐一葉ふと好日を怖れけり(豊長みのる) 人に家を買はせて我は年忘れ(芭蕉) 句作りの文語不識や寒の梅(藤田湘子) 秋簾女七つの隠しごと(田中恵子) 手の平に転ろがす定年水割りグラス(鈴…

(巻三十)審判を見上げ少女の夏果てぬ(北山順子)

(巻三十)審判を見上げ少女の夏果てぬ(北山順子) 10月4日月曜日 本日で巻三十は読み切りとなりました。追って一挙掲載いたします。 午前、駅前の泌尿器科へ処方箋を貰いに行き先生に経過報告。しばらくは病院の方へ行くことになりますが、また何かありまし…

(巻三十)逃れきて終のすみかの炬燵かな(長谷川櫂)

(巻三十)逃れきて終のすみかの炬燵かな(長谷川櫂) 10月3日日曜日 穏やかな秋の朝である。暑くもなく寒くもない。まだTシャツに短パンで過ごせる。 午後散歩に出かける。世の中はどうなっているのかと裏道伝いに駅前まで歩いてみた。行き交う人は皆マスク…

「家のめぐり - 若山牧水」日本の名随筆26肴 から

「家のめぐり - 若山牧水」日本の名随筆26肴 から先づ野蒜[のびる]を取つてたべた。これは此処に越して来た時から見つけておいたもので、丁度季節なので三月の初め掘つてみた。少し過ぎる位ゐ肥えてゐた。元来此処の地所は昨年の春までは桃畑であつた。…

(巻三十)人生寒し風の迅さの捨馬券(竹鼻瑠璃男)

(巻三十)人生寒し風の迅さの捨馬券(竹鼻瑠璃男) 10月2日土曜日 細君がお越しにきて、血圧を測って、パンを焼いてミルクで食べて、薬を飲んだ。薄い血尿が続くが痛みや熱はない。 入院中の衣類の洗濯をした。本日は晴天なりで寝床マットと毛布を干した。 …

「老後資金(仮題) - 荻原博子」宝島社刊『60歳からの新・幸福論』から抜書

「老後資金(仮題) - 荻原博子」宝島社刊『60歳からの新・幸福論』から抜書100万円の投資で70万円得する「繰り上げ返済」老後資金問題の根源にあるのは住居の問題かもしれません。住居は人生における最大の固定費です。持ち家派の人は、マイホームと…

(巻三十)露の世のなほも仮想の世に遊ぶ(近藤七代)

(巻三十)露の世のなほも仮想の世に遊ぶ(近藤七代) 10月1日金曜日 7時ころ部屋から青戸方向を一撮。町の屋根は濡れているが、雨粒はよく見えない。ラウンジに移り国道6号線を見下ろすと樹々が軽く揺れている(一撮)。まだ、町行く人の傘が煽られているよ…

「食わざるの記 - 結城昌治」日本の名随筆59菜から

「食わざるの記 - 結城昌治」日本の名随筆59菜から世間には食通といわれる人が多い。近年の文壇に限っても、吉田健一氏、故檀一雄氏、池波正太郎氏らの名前がすぐに浮かぶが、最近では丸谷才一氏の「食通知つたかぶり」が評判を呼んだ。各氏とも食物の味…

(巻三十)酒ゆえと病を悟る師走かな(其角)

(巻三十)酒ゆえと病を悟る師走かな(其角) 9月30日木曜日 6時半に起きる。窓から四ツ木方向を一撮。色々なモニターのコードも外され、点滴の管も今は使われておらず、身動きを妨げるものはない。 採血、エックス線、とあり、院長の回診があった。尿管の石…