(巻十七)一息を入れるつもりで蜜柑むく(服部康人)

イメージ 1

1月15日月曜日

相撲が始まったがあまり見たいという気が起こらない。加賀廣桟敷はパスして真っ直ぐに帰宅した。
関取の皆さんは一生懸命なのでしょうが、横審だとかなんだかんだと汚いものを見せられたので見る気がしなくなった。

相撲の埋め合わせに載せたわけではないが、今朝車中で渡辺さんを一撮したのでご紹介いたします。渡辺さんはお笑い芸人かなんかかと思っていました。立派なアーティストとのこと!でもラジオで歌を聞いたことがない。

波長合う昭和歌謡や耳覆い (潤)

彼女とは波長が合わないのだろう。

帰宅し夕食をいただいていると細君が朝日俳壇を渡してくれながら、「今日は、有りますか?」と聞いてきた。
長谷川櫂先生の選句を見ると、

第二句
猫さへも老を置き去る日向ぼこ(田中正和)

第五句
夫と吾のほかは芥や煤払(高橋とも子)

第七句
枯蘆や枯れの盛りの音枯るる(山岡猛)

第八句
これからが孤独地獄や冬灯(宮沢明寿)

第九句
老人をさがす放送年の市(辻緑瞳)

第十句
俳句などなんで語るか日向ぼこ(馬目空)

第十一句
初暦ひとりの部屋の改まる(片井久子)

第十二句
正月や酒も俳句も冥土まで(高橋正)

でしたので、「末期俳句だけだなあ!」と返しました。
大串先生、稲畑先生の選はここまで末期的ではありませんが孤独っぽい句がポロポロとございました。

木枯らしや選者が景気を悪くする(潤)

何万という投句が来るのでしょ?中には馬鹿馬鹿しいけれど笑える句もあるでしょう?そう言うのもえらびなさいよ。ユーモアがあって笑いを誘う温かい句も選ばれると思うと選ばれたい一心でそう言う句をつくるでしょ?そう言う句を作れたということは笑いがあって温かい心持ちになったということじゃない?
新聞の俳句欄てそういうもんじゃないの長谷川さん。

今はうるさい細君が居てくれるので鼻から息する生き物と会話できますが、 考えてみれば明日は我が身かもしれません。きくちゃん、僕より長生きしてね。

書き留めましたのは、

ほろ酔を許さぬやうな冬の月(日塔脩)

でございます。