(巻三十八)窓に顔写りて刈田過ぎゆけり(岩口巳年)

11月9日木曜日

(巻三十八)窓に顔写りて刈田過ぎゆけり(岩口巳年)

晴れ。三ヶ月に一度の泌尿器科検診に参る。バスで区役所まで行き、FM葛飾の地味~な局舎の前を通ってクリニックに8時45分ころ到着し、採尿・採血を済ませて9時に検査階から診察階に下りて待機いたす。

検査階へ上がるエレベーターの中で、婆さんが「あたしゃ血圧だけど、あんなどこ?」とこの辺りの婆さんらしく気さくに話しかけてきた。婆さんとは採血が隣り合わせになり、採血する看護師さんの本人確認質問で、昭和18年生まれのアサノ・ユウコとのお応えを聞いて腹の中で微笑む。もっとも、私も相当名前負けしているので人のことは云えない。

診察予定時刻が9時半から10時なのでそれまでは窓際のカウンター席で缶珈琲など喫しながらBBCを聞いて過ごし、時間になってからは診察室前に動き、そこに佇む。あのリハビリ病院とは違い、ここは診察予定時刻を信用出来る。

で、9時40分に呼び込み。採血数値を基に所見をうかがう。クレアスチンはやや改善しているが、尿酸値はやや悪化とのこと。摂生してくださいよ、とのこと。やや飲み過ぎかもしれないがガンマは97だから高橋三千綱氏のに比べれば二桁ちがう。

《仕事をしないのは、酒を呑んでいる時間が長いからである。二日酔いで朝を迎え、夕方までに二度昼寝をして、暗くなると小料理屋のカウンターで熱燗を呑んでいるのだから身体から酒の抜ける暇がない。近くの医院で検査を受けたら、γ-GTPが1020にもなっていて、これは久しく見たことのない数字だと医者からあきれられ、自分にとっても最長不倒距離だといったら肝硬変にリーチがかかりますよとたしなめられた。》(三千綱氏はこのエッセイ執筆から十年以上生きて七十二歳くらいで亡くなったと記憶している。)

「個人再生を夢見て - 高橋三千綱」07年ベスト・エッセイ集から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32383131/

で、会計で少し待たされて10時10分ころクリニックを退出。区役所まで戻る途中で、コジマ電気と、その筋向かいに新装開店したヤマダ電機を視察致した。両店ともに小生の関心事であり絶滅危惧種のICレコーダ-とイヤホン・ジャック式ヘッドフォンをいまだ販売していたが、コジマの方がこの種の物品に関してはやや選択の幅が広いようだ。いずれにしても、両店ともに売場面積の半分近くを、それも入口のそばを、スマホ・電話屋の出店とパソコン及びその周辺機器で占拠されている。家電量販店もいずれは間貸し間貸しでデパートと同じ運命を辿るような気がする。

区役所からバスに乗り、降りて薬局によりアイシャドウをややキツメに施したミホさんからお薬と定期刊行物「ロハス・メディカル秋号」を頂く。巻頭特集〈起こしてない?社会的時差ボケ〉はコチコチしてみよう。(流し読みしたところ、時流に乗り遅れてボケるということではないようだ。)

最後に生協でそぎ切り豚肉のカツ重弁当と特売の餡パンを買って帰宅致した。

帰宅後、洗濯・外干し。昼飯喰って、コチコチ始めて、一息入れて、洗濯物を取り込んで、4時近くから散歩。コンちゃん、クロちゃんに遊んで頂く。明日は雨のようなので生協で豆大福を二つ仕入れる(血糖値は範囲内)。明日は金曜日で混んでいるし、雨のようだし、検診の結果はまあまあだったので一杯やろうかと「八起」へ行ったら、お休みのお詫びが貼り出されていた。

体調でも崩したのだろうか。

再聴、

BBC, All in the mind, Gardening and mental health

https://www.bbc.co.uk/programmes/m0017kct

再読、

「ひとりでお酒を飲む理由(抜書)-山崎ナオコーラちくま文庫 泥酔懺悔 から

https://zuihitsuhissha.exblog.jp/32300273/

願い事-ポックリ御陀仏。元気で御陀仏。

宇野千代の随筆を読んでいたら、北原武夫は腎臓で逝ったと書いてあった。入退院を繰り返したようだが、最期はあっけなかったようなことが書いてあった。最期はあっけないに限る。

露の世やとはいへ貰ふ処方箋(若林眞一郎)