2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「後家 - 別役実」ちくま文庫 思いちがい辞典 から

「後家 - 別役実」ちくま文庫 思いちがい辞典 から 後家というのは、一種の社会的な身分のことである。そして、あからさまにそうは言われていないものの、当の女性にとっては、かなり理想的な身分と考えられている。女性にはすべて、「結婚願望」というもの…

(巻二十五)おおかたを削り取られて山笑う(ながいこうえん)

(巻二十五)おおかたを削り取られて山笑う(ながいこうえん) 5月15日金曜日 二ヶ月ぶりに床屋へ行った。 床屋のおばさんはマスクに加えてプラスチックのフェースシールドを着用し、客もマスクをしたままでカットです。 マスクの紐がかかっている耳のまわり…

2/2「葛飾土産(其の二) - 永井荷風」岩波文庫 荷風随筆集(上) から

2/2「葛飾土産(其の二) - 永井荷風」岩波文庫 荷風随筆集(上) から或日試みた千葉街道の散策に、わたくしは偶然この水の流れに出会ってから、生来好奇の癖はまたしてもその行衛[ゆくえ]とその沿岸の風景を究[きわ]めずにはいられないような心持にならせ…

(巻二十五)物言はぬ夫婦なりけり田草取(二葉亭四迷)

(巻二十五)物言はぬ夫婦なりけり田草取(二葉亭四迷) 5月14日木曜日 今日はさくら通りを端から端まで歩きました。往って復って三千四百歩。 緑のなかを歩くのは心地よい! 若葉して光は光影は影(今橋真理子) 業界団体のホームページで解釈資料を読んでみま…

1/2「葛飾土産(其の二) - 永井荷風」岩波文庫 荷風随筆集(上) から

1/2「葛飾土産(其の二) - 永井荷風」岩波文庫 荷風随筆集(上) から 千葉街道の道端に茂っている八幡不知[やわたしらず]の藪の前をあるいて行くと、やがて道をよこぎる一条[ひとすじ]の細流に出会う。両側の土手には草の中に野菊や露草がその時節には花…

(巻二十五)芋虫の一夜の育ち恐ろしき(高野素十)

(巻二十五)芋虫の一夜の育ち恐ろしき(高野素十) 5月13日水曜日 散歩と買い物 夏帽子をかぶり曳舟川を消防署まで行き、新道を戻った。三千三百歩。 買い物は米二キロ。 これからの季節は30分くらいでいいな。汗をかく。 黄砂降る街に無彩の詐欺師たち(馬…

「梓川 - 浦松佐美太郎」文春文庫 教科書でおぼえた名文 から

上高地へ入る少し手前、焼岳の煙を背にするあたり、林の中の道を幾曲り、川瀬の音が急に高くなって来る。梓川は、ここのところで急にくびれて、力強い流れとなる。岩の上を乗り越えて、落ちてゆく水は、滑かに早い。目にも止まらない早さで落ちてゆく水を眺…

(巻二十五)仮の世の真理に触れて卒業す(木田琢朗)

(巻二十五)仮の世の真理に触れて卒業す(木田琢朗) 5月12日火曜日 朝方、霧雨のなかを細君は医者に薬をいただきに出かけた。 あたしは机で居眠りなどして静かな時間を過ごした。 死に際にとつて置きたき春の雨(高野ムツオ) 昼前に細君はサンドウィッチを買…

「サフラン - 森鴎外」岩波文庫 日本近代随筆選1 から

「サフラン - 森鴎外」岩波文庫 日本近代随筆選1 から 名を聞いて人を知らぬと云うことが随分ある。人ばかりではない。すべての物にある。私は子供の時から本が好だと云われた。少年の読む雑誌もなければ、巌谷小波[いわやさざなみ]君のお伽噺もない時代…

(巻二十五)風向きが変り芒野ひかりけり(柴田蕉風)

(巻二十五)風向きが変り芒野ひかりけり(柴田蕉風) 5月11日月曜日 洗濯 洗濯をしたが部屋干しにした。今年は流行り病のせいか枝打ちや草刈りが十分ではないようだ。草木が繁っているので虫が増えている。その虫がベランダに干してある洗濯物に取り付いてし…

関税局―災害規定を適用―納付等の延長について 掲示

関税局―災害規定を適用―納付等の延長について 掲示 CTB says it applies Article 2-3 “Extension of time limit due to disaster” for processing https://www.customs.go.jp/news/news/20200511_index.htm (Only Japanese announcement) One of the extensi…

「養老訓抜き書き - 養老孟司」新潮文庫 養老訓 から

「養老訓抜き書き - 養老孟司」新潮文庫 養老訓 から 家は広いほうがいいか長生きを考えると、年をとってお金がなくなったらどうしようという恐怖があるのはわかります。しかしこれは今に始まったことではありません。論語にも、年をとったら金を貯めるよう…

(巻二十五)億年を逃げのびてこの油虫(出口善子)

(巻二十五)億年を逃げのびてこの油虫(出口善子) 5月10日日曜日 更衣 こんなときに風邪などひいたら大変なことになると怖れて冬物で通して来た。だが明日は30度になるというので、さすがに下着を夏セットに致しパジャマも夏物に更えました。 読書 『 「…

関税局―マスク 及び 消毒液 輸入手続き Q and A を掲示

関税局―マスク 及び 消毒液 輸入手続き Q and A を掲示 CTB puts Q & A about face masks and antiseptic solution import procedures https://www.customs.go.jp/news/news/faq_mask.htm https://www.customs.go.jp/english/news/covid-19/faq_mask.htm

「後輩「ひさし君」 - 菅原文太」文春文庫 89年版ベスト・エッセイ集 から

「後輩「ひさし君」 - 菅原文太」文春文庫 89年版ベスト・エッセイ集 から あの頃の高校生活は、なぜあんなに自由だったのだろうか。今でも時々そう思って奇妙な気がする。世の中は戦後の混乱を抜け出したばかりで、未完成のジグソーパズルのようだったし…

(巻二十五)栗食むや若く哀しき背を曲げて(石田波郷)

(巻二十五)栗食むや若く哀しき背を曲げて(石田波郷) 5月9日土曜日 早めの昼食を頂きながらNHKラジオで句会を聴きました。本日の俳人は村上鞆彦氏で「薔薇」がお題でした。 御担当の俳人にはここのところ若手・中堅が起用されています。若い方からの投稿も…

「食器は料理のきもの - 北大路魯山人」中公文庫 魯山人味道 から

「食器は料理のきもの - 北大路魯山人」中公文庫 魯山人味道 から 私はどうして陶磁器ならびに漆器などをつくるようになったか - みなさま大方はご存じのことと思いますが、私は料理を始めてから、ここにこうして窯を築き、陶磁器ならびに漆器類を、みずか…

(巻二十五)若葉して手のひらほどの山の寺(夏目漱石)

(巻二十五)若葉して手のひらほどの山の寺(夏目漱石) 5月8日金曜日 散歩と買い物 図書館からお寺と廻りコンビニで珈琲を頂き生協で買い物。四千歩くらいでした。 図書館には四ヶ月お邪魔していない。神田の古本屋街にも、デパートの古本市にも出かけていな…

2/2「橋の彼方の世界 - 江藤淳」新潮文庫 荷風散策 から

2/2「橋の彼方の世界 - 江藤淳」新潮文庫 荷風散策 から 《今日の深川は西は大川の岸から、東は砂町の境に至るまで、一木一草もない。焼跡の空地に生えた雑草を除けば、目に映ずる青いものは一ツもない。震災後に開かれた一直線の広い道路と、むかしから流…

(巻二十五)視点変え歳時記換えて日々草(中島英子)

(巻二十五)視点変え歳時記換えて日々草(中島英子) 5月7日木曜日 細君が朝一で買い物に出かけ、生協の花屋さんでカーネーションを買って帰った。 「店長さんや、教えてくれる人に声かけられちゃうのよ」という。 とは云っても高々月に一二度の五六百円の馴…

(巻二十五)抜け道の柵守りたる蛇苺(友井正明)

(巻二十五)抜け道の柵守りたる蛇苺(友井正明) 5月6日水曜日 午前中に買い物に行き米を二キロ買う。常時五キロを備蓄している。 生協店内閑散、粉もの以外に品薄感なし。 午後から雨が降りだし雷が聞こえた。雷鳴が夕刻まで続いたのでトイレ水確保のため風…

1/2「橋の彼方の世界 - 江藤淳」新潮文庫 荷風散策 から

1/2「橋の彼方の世界 - 江藤淳」新潮文庫 荷風散策 から昭和六年(一九三一)の『断腸亭日乗』を繙[ひもと]くと、この年の十一月以降翌七年の六月にかけて、荷風散人が深川から砂町埋立地あたりにまで、しきりに杖を曳いていることが明らかである。たとえば…

(巻二十五)遊び足りぬ輩のごとく夜の蝉(藤崎幸恵)

(巻二十五)遊び足りぬ輩のごとく夜の蝉(藤崎幸恵) 5月5日火曜日 午前中に買い物に出かけた。買い物だけなので歩数は 1100歩だけでした。 買い物のついでに寝酒の小瓶でもと思った。しかし、どうも身体が欲しがらない。酒でなく甘味袋菓子にした。 露の…

「バカカバー - 椎名誠」文春文庫 赤眼評論 から

「バカカバー - 椎名誠」文春文庫 赤眼評論 から日本人はカバー好きで、放っておくと何でもかんでもカバーんかけてしまうけれど、カバーをかけて意味のあるものとあまり意味のないものとあるような気がするのだ。電話機のカバーなんていうのはその代表的な…

「悪筆と歌 - 馬場あき子」文春文庫 巻頭随筆4

「悪筆と歌 - 馬場あき子」文春文庫 巻頭随筆4 少女の頃から筆墨への憧れは強いのに、筆を持ったとたん夢は消えてしまうという悪筆に、どれだけ失望を重ねてきたことだろう。何度失敗しても直らない一つの傾向は、必ず料紙におさまらなくなる竜頭蛇尾型で…

(巻二十五)衰ひや歯に喰あてし海苔の砂(松尾芭蕉)

(巻二十五)衰ひや歯に喰あてし海苔の砂(松尾芭蕉) 5月4日月曜日 ミカンが一輪咲きました!見てください。 ミカンの樹がこんなにたくさんの花を咲かせるとは知りませんでした。 天気が悪く外出せず。 春愁と怠け心の分け難し(野坂紅雨) そんな一日でした。 …

「三年坂にまつわる俗言(一部抜き書き) - 横関英一」中公文庫 江戸の坂東京の坂 から

「三年坂にまつわる俗言(一部抜き書き) - 横関英一」中公文庫 江戸の坂東京の坂 から 三年坂と呼ぶ江戸時代の坂が、旧東京市内に六ヵ所ばかりある。いずれも寺院、墓地のそば、または、そこからそれらが見えるところの坂である。三年坂はときどき三念坂とも…

(巻二十五)冷まじや鏡に我という虚像(細川洋子)

(巻二十五)冷まじや鏡に我という虚像(細川洋子) 5月3日日曜日 (散歩と買い物) 一日に四千歩くらいは歩かなければと思っているが、半径二キロ内の場末の路地を縫うように歩いてもあまり面白くはない。 買い物はパン6枚、胡瓜、新玉を仰せつかった。新玉が…

「武大想い出抄 - 山田風太郎」角川文庫 死言状 から

「武大想い出抄 - 山田風太郎」角川文庫 死言状 から「力なく床に首ふる我を見れば人はさだめて老衰というらむ」「力なく床に首ふる汝[なれ]を見れば人はさだめて腎虚というらむ」前者は、昔、色川武大が私によこしたハガキに書いてきた歌であり、後者は…

(巻二十五)今年また生きて残暑を嘆き合う(池田澄子)

(巻二十五)今年また生きて残暑を嘆き合う(池田澄子) 5月2日土曜日 (散歩と買い物) 駅下のパン屋はやっているか?弁当屋はやっているか?見ていらっしゃいとの指示がありそちら方面に出かけた。 パン屋は販売のみで営業。弁当屋四店はすべて営業しておりま…