2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻二十七)名月やむかし名妓のもの語り(堀内敬三)

(巻二十七)名月やむかし名妓のもの語り(堀内敬三) 11月16日月曜日 本日も好天でございます。細君は午前中医者に出かけた。やはり何かしら良くない数値が出るようだ。これで精密検査ということになれば大変なことだが、そう言う事でもないようだ。夫婦し…

2/2「濹東挿絵余談 - 木村荘八」河出書房新社 生誕135年・没後55年永井荷風 から

2/2「濹東挿絵余談 - 木村荘八」河出書房新社 生誕135年・没後55年永井荷風 から ○ さきに云ったように兎に角これは「隅田川」がバックになる世界だから、如何なる場合にも川のこっち河岸にはならぬように、女にしても男にしても同じ新開地でも中野新…

(巻二十七)八月の遺書を書くように俳句書く(田中悦子)

(巻二十七)八月の遺書を書くように俳句書く(田中悦子) 11月15日日曜日 本日も好天である。シーツ2枚とタオルケット1枚を洗濯いたす。今朝は雀が飛来せず、ちょっと寂しい。チュンチュンと騒がしいのもよいものだ。ベランダにパン屑でも撒いてお近づき…

1/2「濹東挿絵余談 - 木村荘八」河出書房新社 生誕135年・没後55年永井荷風 から

1/2「濹東挿絵余談 - 木村荘八」河出書房新社 生誕135年・没後55年永井荷風 から 今度濹東綺譚の挿画を引受けるに当って初めからぞっくりと全篇の原稿が完成されていたことは挿画冥利に尽きる喜びでした。その代り、又初めから背水陣を覚悟の、難しい…

(巻二十七)緑の日名もなき草のなかりけり(時澤藍)

(巻二十七)緑の日名もなき草のなかりけり(時澤藍) 11月14日土曜日 朝方の風も10時過ぎにはおさまり布団三枚を干した。見下ろせば生垣の日だまりに雀の一家がやって来て賑やかにしている。 ばらばらに逃げて分かれず稲雀(鷹羽狩行) 散歩: 葛飾野の裏門…

WATERFRONT NEWS

WATERFRONT NEWS 動物検疫―鶏肉輸入禁止米国ミズーリ州11月13日済 Poultry import ban (Missouri – U.S.A.) Animal Quarantine authorities ban poultry import from the State of Missouri in America, as bird flu has been identified in the area The re…

「裁判による解決 - 我妻栄」日本の名随筆91裁判 から

「裁判による解決 - 我妻栄」日本の名随筆91裁判 から 家庭裁判所の調停で離婚が成立した場合にも、戸籍の届出は協議離婚の形式にするものが多いといわれる。戸籍に「調停による離婚」と記載されることを嫌うというのである。 * 調停手続のうちで離婚の…

(巻二十七)捨てきれず逃ぐるも出来ず畑を打つ(森屋慶基)

(巻二十七)捨てきれず逃ぐるも出来ず畑を打つ(森屋慶基) 11月13日金曜日 お天気がよろしいので中川堤まで歩を延ばした。釣り人が10人ほど中川橋のあたりで糸を垂れている。水鳥でも居らんかと双眼鏡を携行したが、何かと思えば川面のゴミだ。何事も詳…

2/2「チャップリンからキートンの世界に向けて - 赤塚不二夫」日本の名随筆60 愚 から

2/2「チャップリンからキートンの世界に向けて - 赤塚不二夫」日本の名随筆60 愚 から これに対して、キートンはどうだろう。 彼の行方の安心などする観客は一人もいない。彼の行動には、常に不安がつきまとい、あるときは不条理な恐怖にさえ巻き込んでし…

(巻二十七)里芋のぬめり三流週刊誌(田中朋子)

(巻二十七)里芋のぬめり三流週刊誌(田中朋子) 11月12日木曜日 細君は歯医者に出かけていった。私がお世話になっている新柏の歯医者さんはさっさと処置して終わらせてくれるが、こちらの歯医者さんはどこでもダラダラと引き延ばす。動けなくなれば地元で…

1/2「チャップリンからキートンの世界に向けて - 赤塚不二夫」日本の名随筆60 愚 から

貧乏生活が長かったせいか、東京に出てきてからトキワ荘時代にかけて見た映画は、その逆に陽気なアメリカ映画が圧倒的に多い。 ミュージカルと西部劇がその代表である。 けんかの場面がいつも面白いジョン・フォード物は繰り返し見た。 ミュージカルも片っ端…

(巻二十七)奥津城や願ひのごとく花下に在り(下村梅子)

(巻二十七)奥津城や願ひのごとく花下に在り(下村梅子) 11月11日水曜日 細君が新聞片手やって来て、九鬼周造のことが書いてあるが九鬼周造の作は読んだのかと訊いてきた。二百円で『「粋」の構造』を買ったが頭が悪いので理解不能であったと答えたら、鼻…

「お金がもうかる正しい原則 - やなせたかし」お金本 から

「お金がもうかる正しい原則 - やなせたかし」お金本 から ボクは漫画家ですが、現在は絵本作家としての仕事のほうが多いのです。 漫画家なのに現在の日本の漫画はボクの肌にあわない。絵が下品で刺激が強すぎるものが多い。 食品の汚染については割合とチ…

(巻二十七)鮎の宿おあいそよくて飯遅し(山口青頓)

(巻二十七)鮎の宿おあいそよくて飯遅し(山口青頓) 11月10日火曜日 故あって、日本橋まで出かけ、故あってお昼ご飯などご馳走になりました。久しぶりのお江戸でございますので高島屋から三越まで歩いてみました。 三越にビックカメラが入っているとのこと…

「鳥たち - 日高敏隆」ベスト・エッセイ2006から

「鳥たち - 日高敏隆」ベスト・エッセイ2006から 二〇〇五年は酉[とり]の年だ。 酉とは単なる鳥ではなく、鶏のことだそうである。 えとの十二の動物のうち、九つが哺乳類、辰[たつ]を爬虫類とすれば二つが爬虫類。鳥類は鶏ただ一つかと、何だかふし…

(巻二十七)名画座のヘップバーンに恋をして会話学びし渋谷の街に(大和嘉章)

(巻二十七)名画座のヘップバーンに恋をして会話学びし渋谷の街に(大和嘉章) 11月9日月曜日 本日の歌には重なるところがあり、よくぞ詠んでくれましたとの思いであります。東急名画座、三省堂、プラネタリウム......。 漱石忌英語はついに馴染めざる(松本…

「“かぎりなく他殺に近い自殺”  香山リカ」死をめぐる50章 から

私のような精神科医は、身体疾患を扱うほかの科の医者に比べて、患者さんの死に立ち会う機会は少ないと思う。家族に向かって、「〇時〇分、ご臨終です」という例の“死の告知”も行ったことはあるが、おそらく十回にも満たないであろう。 「死に至る病」の恐怖…

(巻二十七)年を経て君し帰らば山陰のわがおくつきに草むしをらん(正岡子規)

(巻二十七)年を経て君し帰らば山陰のわがおくつきに草むしをらん(正岡子規) 11月8日日曜日 どうでもいいことですが、顔本に怪しい友達申込みが届いた。返信はしたが様子見にした。 Hello, I was searching Japanese culture for my trip to Tokyo before …

「小股の切れ上った女/小股の切れ上った女、再考 - 淮陰生[わいいんせい]」日本の名随筆別巻74辞書 から

「小股の切れ上った女/小股の切れ上った女、再考 - 淮陰生[わいいんせい]」日本の名随筆別巻74辞書 から 【参考】巻末の著者紹介を転書いたしておきます。 淮陰生(わいいんせい) 生年不詳 左記の書は、一九七〇年一月から八十五年一月まで、「一月一話…

(巻二十七)絵を踏めば助かる命冬菫(平田俊子)

(巻二十七)絵を踏めば助かる命冬菫(平田俊子) 11月7日土曜日 立冬のビニール傘の硬きかな(丸山) ということで、NHKラジオの俳句も兼題は「立冬」でした。ゲストに吉田類氏がおいでになっていましたが、話ぶりは穏やかで意外なことに紳士の雰囲気が漂って…

WATERFRONT NEWS

WATERFRONT NEWS 関税局―保税地域一覧表10月1日現在を公表 11月6日 CTB shares licensed Customs Area (Hozei area) list as of Octber 1 The premises in which foreign goods can be stored, processed, exhibited and so on are controlled by customs a…

「一病息災 - 色川武大」ちくま文庫 色川武大・阿佐田哲也ベスト・エッセイ から

楽あれば苦、苦あれば楽、という言葉があるね。実際そうかどうか、これは微妙な問題なんだけれども、いつかも記したとおり、これは昔の人のバランス感覚から生まれた言葉なんだろうな。若い頃の一時期、この言葉に中毒しちゃった頃があってねえ。ちょうどば…

(巻二十七)四月馬鹿伝言板の誤字直す(近藤阿佐)

(巻二十七)四月馬鹿伝言板の誤字直す(近藤阿佐) 11月7日金曜日 昨日とうって変って冬の天気である。長袖下着とタイツを着用し、掛布団を二枚にした。つまり使い果たしてしまったことになるが、明日は立冬、冬はこれからだ! 冬隣裸の柿のをかしさよ(坪内…

「唐招提寺との歳月 - 永井路子」ベスト・エッセイ2006 から

「歴史の顔」を見てしまった! もの書きとして稀有な好機に恵まれたのは一九七〇年。唐招提寺講堂の解体調査の現場での体験を、私は一生忘れないだろう。 ある小冊子の執筆依頼で、かねて大ファンだったこの寺を訪れたのは春先だったろうか。知人に頼んで奈…

(巻二十七)長電話場所を移して冬 ぬくし(玉村謙太郎)

(巻二十七)長電話場所を移して冬 ぬくし(玉村謙太郎) 11月5日木曜日 畳屋の肘が働く秋日和(草間時彦) 濡土に木影沁むなり秋日和(阿部次郎) 東京タワーが歩くがごとき秋日和(岡田史乃) と「秋日和」の在庫を全部投入しても惜しくない秋日和でありました。 …

「ふるさと納税指定制度における不指定の違法性(最高裁) ー 関西学院大学教授 中原茂樹」

行政法- 法学教室 2020年9月号 判例セレクト から 最高裁令和2年6月30日 【論点】 改正地方税法により導入されたふるさと納税指定制度において、改正法施行前の寄附金募集実績を理由として不指定とする旨の総務省告示は、同法による委任の範囲を超…

(巻二十七)煮凝や余生のかたち定まらず(川崎益太郎)

(巻二十七)煮凝や余生のかたち定まらず(川崎益太郎) 11月4日水曜日 細君が生協の帰りに郵便局に寄って年賀葉書を買ってきた。雷門の絵柄のものがあったと浅草生まれは喜んでいる。 私も5枚ほど出すが、コンビニの挨拶文印刷済みのを買うことにする。割高…

「鉄道のキセル乗車と電子計算機使用詐欺罪の限界 ー 東京大学教授 和田俊憲」

刑法- 法学教室 2020年9月号 判例セレクト から 名古屋地裁令和2年3月19日判決 【論点】 磁気定期券の入場記録を下車駅の自動改札機が読み取り対象としていない場合におけるキセル乗車と「虚偽の電磁的記録」の判断。 [参照条文]刑246条の2…

(巻二十七)麗や女々を顧る(青木月斗)

(巻二十七) 麗や女々を顧る(青木月斗) 11月3日火曜日 だいぶ寒々としてきた。11月3日は特異日ということだそうで晴天の日が多いそうだが、今日は外れだ。それでも白鳥の生協まで歩いてみた。生協の中に造りパン屋があるので餡パンを買いに行ったのだが…

「下戸の屁理屈 - 井上ひさし」中公文庫 酒中日記 から

「下戸の屁理屈 - 井上ひさし」中公文庫 酒中日記 から酒が嫌いなら嫌い、飲めないなら飲めないでいいものを、何事にも下手な小理屈やら屁理屈をこねないでは済まぬ悪癖があって、そこでまたひと理屈こねあげると、第一に、身に染みこんだ貧乏性が、酒から…