2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

(巻二十六)言霊を吐いてエンピツ削られる(南澤霧子)

(巻二十六)言霊を吐いてエンピツ削られる(南澤霧子) 9月15日火曜日 健康・不健康: 区の検診で血圧が高いと出たので細君が強く奨める内科医院で診ていただくことにした。 その医院は8時半に受付開始だそうで、細君によれば8時前から門前に行列ができる…

「検査は身体に悪い - 土屋賢二」文春文庫 紅茶を注文する方法 から

「検査は身体に悪い - 土屋賢二」文春文庫 紅茶を注文する方法 から 人間は、自分がどんな人間であるかに強い興味を示すものだ。自分の容姿を鏡や体重計で仔細に点検したり、自分にどんな才能があり、どんな運命をたどるが、などを知りたがるが、それも若い…

(巻二十六)蝉の屍の鳴き尽くしたる軽さかな(大倉郁子)

(巻二十六)蝉の屍の鳴き尽くしたる軽さかな(大倉郁子)9月14日月曜日今日は義母の命日だ。うるさいことは言わない、いい姑さんだった。その娘とは思えない。細君は歯科へお出掛けになり、静かな午前を過ごしている。写真は鶏頭だそうだ。私も花があるのも…

「樟の森 - 立松和平」エッセイ’ 91 から

「樟の森 - 立松和平」エッセイ’ 91 から山口県豊浦町小串の海岸には風と波とが吹き寄せていた。秋もそろそろ深まってくる頃である。日本海は日一日と荒れ、漁にでられる日も少なくなってくる。漁港には漁船が舫[もや]ってあったが、人の影はない。今日…

(巻二十六)ホスピスや行くかもしれぬ半夏生(柴田節子)

(巻二十六)ホスピスや行くかもしれぬ半夏生(柴田節子) 9月13日日曜日 散歩: ハイスクール・コースを歩いた。コースの終盤の住宅街で庭先からはみ出た柿の木に気付いた。よく見ると青い柿がたわわに生っていた。 渋柿の滅法生りし愚かさよ(松本たかし) 本…

2/2「庭のことば - 近藤正雄」文春文庫 01年版ベスト・エッセイ集 から

2/2「庭のことば - 近藤正雄」文春文庫 01年版ベスト・エッセイ集 から-根まわし根まわしということばが政界や財界の常套語になったのはいつごろのことであろうか。あの世界で根まわしのしていない会議がひらかれたなら、それは踊るはかりか蜂の巣をつつ…

(巻二十六)熱燗や掴みどころのなき男(松永幸男)

(巻二十六)熱燗や掴みどころのなき男(松永幸男) 9月12日土曜日 昨夜は寝はぐってしまい払暁まで寝床で悶々と過ごした。 そこから寝込んだので定刻には起きられず。 寝はぐったのは耳鳴りがひどかったためだ。 何故耳鳴りがするのだろう?今もしている。年…

(巻二十六)鮪より分厚く降ろす初鰹(上田信隆)

(巻二十六)鮪より分厚く降ろす初鰹(上田信隆) 9月11日金曜日 昼頃、突然の雷鳴と雨で洗濯物を慌てて取り込んだ。 それが今日の出来事で、ほかは特になし。 散歩はコンビニから生協で絵になる物はなし。 買い物リストに鶏肉があり、指定の部位で賞味期限内…

1/2「庭のことば - 近藤正雄」文春文庫 01年版ベスト・エッセイ集 から

1/2「庭のことば - 近藤正雄」文春文庫 01年版ベスト・エッセイ集 から-裏切り密告や寝返りなどと同じく日常「裏切り」ということはたいへんよろしくない行為ということになっている。けれども庭づくりにたずさわる私どもには、耳なれたことばであり、庭…

「花子のいる風景 - 平岩弓枝」ベスト・エッセイ2011 から

「花子のいる風景 - 平岩弓枝」ベスト・エッセイ2011 から 子供の頃から我が家には必ず犬か猫が居た。素性の正しい生まれの仔[こ]もいたが、大方は出所不明であった。要するに捨て犬、捨て猫である。今はそんなこともなくなったが、私の子供の頃は神…

(巻二十六)己が身の始末を問はる鳥雲に(神埼忠)

(巻二十六)己が身の始末を問はる鳥雲に(神埼忠) 9月10日木曜日 長生きはしたくないしたくないと言いながら、今日の午後は区の無料健康診断を受けた。今日の句ではないが、始末は難しい。 健康診断はくそ暑い日の午後にノコノコ出掛けて行ってやるもんじゃ…

「日程表 - 藤沢周平」文春文庫 周平独言 から

「日程表 - 藤沢周平」文春文庫 周平独言 からこのごろ、いやに日が短くなったような気がする。俳句の冬の季語に短日というのがあり、短日や不足をいへばきりもなき、などという久保田万太郎の俳句があるが、それではなく気持の中のことである。気味がわる…

(巻二十六)飲み干せし水の全部が汗となる(黒田千賀子)

(巻二十六)飲み干せし水の全部が汗となる(黒田千賀子) 9月9日水曜日 今日も9時に区役所から熱中症の注意が配信されてきた。しかし、少しずつ季節は変わっていくようで、今朝は扇風機を使わずに眠ることができた。 散歩: コンビニから生協へのコースを歩…

Watch out! A cat at work

The cat digs a shit hole just in front of a car door. It doesn’t want to be watched while it does it. It glares at me and sneaks into the under belly. I think a driver steps on the trap sooner or later. Mind a mine!

3/3「病気ジマンもいいかげんにします - 友川カズキ」ちくま文庫 一人盆踊り から

3/3「病気ジマンもいいかげんにします - 友川カズキ」ちくま文庫 一人盆踊り からまぁ、そういうわけで、あっけらかんと生きてますよ。「もう死ぬんだろうな」と思ったことも何回もありますが、基本的に楽観的な人間ですし、そういう性分もカラダにとっては…

(巻二十六)ぬく飯に落して円か寒玉子(高浜虚子)

(巻二十六)ぬく飯に落して円か寒玉子(高浜虚子) 9月8日火曜日 泣く虫や泣いて出てきた道化の世(駄楽) そんな気持ちの今朝の秋でございます。 本日はそう言うわけで、顔友の皆さんからお祝いのメッセージを頂いた。 ドギーからは「何か面白いこと見つけたか…

Mantis the peeper

Ants, Butterflies, Cicadas and dragonflies are alright. No fear. Mantes are different and they frighten me. Not being able to flight from and much less fight against. So when I spotted this mantis in this afternoon, what I could do was jus…

2/3「病気ジマンもいいかげんにします - 友川カズキ」ちくま文庫 一人盆踊り から

2/3「病気ジマンもいいかげんにします - 友川カズキ」ちくま文庫 一人盆踊り から その後、七~八年前には腸閉塞もやりましたね。これはホントに突然。急にポコンと腹が膨らんで来て。汚い話で恐縮ですが、ウンコもオシッコも出ないし、「なんか変だな」と…

(巻二十六)ここにいる不思議つくづく冬紅葉(前田弘)

(巻二十六)ここにいる不思議つくづく冬紅葉(前田弘)9月7日月曜日散歩:ハイスクール・コースを歩いた。葛飾野のフェンス沿いの小路ではほぼ毎日二人の作業員が落葉の掃除しているが、今朝は濡れ落葉にやや手こずっているようにお見受けいたした。雲が走っ…

1/3「病気ジマンもいいかげんにします - 友川カズキ」ちくま文庫 一人盆踊り から

1/3「病気ジマンもいいかげんにします - 友川カズキ」ちくま文庫 一人盆踊り から二十年ほど前から、コンスタントに面倒な病気に見舞われてまして。こうやって酒呑みながら喋ってるぐらいですから、大概克服して来てるんだけど、よくよく考えて見ると、どれ…

(巻二十六)五分高の賃に惹かれて夜業かな(吉良比呂武)

(巻二十六)五分高の賃に惹かれて夜業かな(吉良比呂武) 9月6日日曜日 散歩: 駅前まで往復して本を返し、本を借りてきた。 今日はバスには乗らないぞと気合いを入れていたので迷いはなかった。 何のことはない、歩いてみれば往復五千歩少々だった。 本日は…

2/2「浪華俗世の知恵 - 藤本義一」文春文庫 04年版ベスト・エッセイ集 から

2/2「浪華俗世の知恵 - 藤本義一」文春文庫 04年版ベスト・エッセイ集 から 幼年期から少年期にかけて埋め込まれた知恵、特に金銭に関する知恵は容易に消えるものではない。やはり、商人の町大阪では、金銭に関する知恵が多い。-貯めるのは金、使うのは…

(巻二十六)旧仮名は媚薬のごとし初御籤(高木一惠)

(巻二十六)旧仮名は媚薬のごとし初御籤(高木一惠) 9月5日土曜日 今月の蓮光寺さまのお言葉でございます。 見透かされたようで返す言葉はございませんが、なかなか左様になれませんのが凡夫でございます。 春風や凡夫の墓の御影石(岸本尚毅) 散歩: 教会・…

1/2「浪華俗世の知恵 - 藤本義一」文春文庫 04年版ベスト・エッセイ集 から

1/2「浪華俗世の知恵 - 藤本義一」文春文庫 04年版ベスト・エッセイ集 から祖父は職人であり、父は大阪商人であった。四代前までは、父方も母方もこの職人と商人の血が半々に流れているのがわかる。私は商人になるために育てられたが、昭和二十年三月の大…

(巻二十六)働かぬ手にいただくや雑煮箸(西島麦南)

(巻二十六)働かぬ手にいただくや雑煮箸(西島麦南) 9月4日金曜日 細君が生協の花屋さんでリンドウを買ってきた。 リンドウは花がワーッと満開する咲き方ではないようだ。 リンドウには毒があるので気をつけるよう子ども電話相談の先生が注意していた。 あれ…

「延命のための人工呼吸器の装着 - 平山正実」はじまりの死生学 から

「延命のための人工呼吸器の装着 - 平山正実」はじまりの死生学 から筋萎縮性側索硬化症(ALS)は神経難病のひとつである。脳の命令を筋肉に伝える運動ニューロンが次々と変性し、人体の抹消の部分から運動、嚥下、発声、最後には呼吸が徐々に困難になり最終…

(巻二十六)運動会午後へ白線引き直す(西村和子)

(巻二十六)運動会午後へ白線引き直す(西村和子) 9月3日木曜日 散歩: 昼飯のおかず、つまり昨晩の夕飯のおかずの残りが僅かなので、「おとうさんはお弁当でも買って来て。外食はだめよ!危ないから!」 ということで駅前まで出かけた。 リリオ亀有図書サー…

「高瀬舟(抜書) - 森鴎外」中公文庫 教科書名短篇 から

「高瀬舟(抜書) - 森鴎外」中公文庫 教科書名短篇 からしばらくして、庄兵衛はこらえきれなくなって呼びかけた。「喜助。お前何を思っているのか」「はい」と言ってあたりを見廻した喜助は、何事をかお役人に見とがめられたのではないかと気づかうらしく、…

(巻二十六)不可解な己に飲ます寒の水(広瀬悌子)

(巻二十六)不可解な己に飲ます寒の水(広瀬悌子) 9月2日水曜日 散歩: ハイスクール・コースを歩いた。さくら通りで剪定をしていたが、いろいろとあったので少しズレ込んだのだろうか? 蝉時雨は“収束”に向かい黄落には間がある。 枝のずいぶんと太いところ…

「現在望み得る最上かつ最良の文章上達法とは - 井上ひさし」中公文庫 死ぬのがこわくなくなる薬 から

「現在望み得る最上かつ最良の文章上達法とは - 井上ひさし」中公文庫 死ぬのがこわくなくなる薬 から 編集部から与えられた紙数は四百字詰原稿用紙で五枚。これっぽっちの枚数で文章上達の秘訣をお伝えできるだろうか。どんな文章家も言下に「それは不可能…